子どもの「なぜ」という疑問には、答えでなく考え方を教える
子どもが、「なぜ夏は暑くて、冬は寒いの?」とたずねたとします。
これに対して、「夏は太陽が高いところにあって、冬は低いとろにあるからよ」と、ズバリと教えてあげることもできます。
でも、いっしょに考えてあげて、子どもの考える力を伸ばすという意味からは、ぜひもうひと工夫してあげたいものです。
たとえば、次のような形で説明してはどうでしょうか。
まず、「一日のうちで、いちばん暑いのはいつかな?」というように質問してみます。
この質問には、子どもはおそらく「お昼ぐらい」などと答えるでしょう。
そこで、「そうね、それからだんだん夕方になっていくと、涼しくなっていくわよね。お目様はずっと出てるのに、どうして涼しくなるんだと思う?」と質問を続けます。
今度は「わからない」と答えるかもしれません。
そうしたら、「お昼ぐらいに、お目様はどこにある? じゃあ夕方は〜」という形で、昼と夕方で太陽の位置が違うこと、そしてそこには高さの違いがあることに目を向けさせます。
それから、
「お目様が高いところにあるときは暑くて、低いところにあるときは寒くなるみたいね。
だから、きっと、夏はお目様が高いところにあって、冬は低いところにあるのよ。今度確かめてみましょうね」
というようにまとめます。
これは一例ですが、最初のように答えをそのまま教えるのとどう違うか、考えてみてください。
まず第一に、子どもが質問に答えるという形で、考える過程に参加しています。
それによって、答えを知ったときの体験は、「知った」という体験から「わかった」という体験に変わります。
第二に、「昼は暑くて夕方は涼しい」という、日常よく知っている感覚をもとに考えているということです。
体験に結びつけて考えるという習慣は、子どもにとってとてもだいじをものです。
第三に、「畳と夕方の温度差」と「夏と冬の温度差」という別のものを関連づけて考えさせることによって、科学的な思考に欠かせない「類推」という技術をしぜんに体験させているということです。
べつに「類推」などという言葉を教える必要なまったくないのですが、こうした体験を繰り返すことで、子どもはやがて、そういう考え方もあるということを知り、しだいに自分でも使えるようになっていきます。
どんな質問に対しても、こううまくいくとはかぎりません。
ときには、答えをそのまま与えるしかないような質問もあります。
ただ、なるべく答えでなく考え方を教えてあげられるよう、いろいろ工夫をしてみてください。
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