お母さんの手伝いをよくする子どもは、ものごとを順序だてて考えられる子になる
お母さん方が家事をこなす様子を見ていると、いつも感心させられます。
たとえば炊事をあげることができます。
かぎられたスペース、かぎられた数のコンロを使って、何種類もの料理を作り、そのどれもが、食卓に並んだとき冷めないように、絶妙のタイミングで仕上がります。
掃除にしても洗濯にしても、時間のムダが出ないよう、じつによく考えられた手順でこなされていきます。
家事は、創意工夫の宝庫と言えるでしょう。
お母さんのお手伝いをよくする子どもは、こうした工夫をしぜんに身につけていきます。
たとえば、おっかいによく行かされる子どもがいるとします。
何度か行くうちに、回る店の順番を工夫するようになります。
そして、「歩く距離だけを考えるとスーパーのあとに八百屋さんに行ったほうが早いけど、スーパーでの買い物が多いから八百屋さんに先に行ったほうが楽だ」というように、いろいろな条件をあわせて考えることもできるようになっていきます。
掃除でもそうです。
テーブルと床を掃除するとき、せっかく床を掃除したのに、テーブルからゴミが落ちて二度手間になった、という体験をすると、「今度は先にテーブルを掃除したほうが楽だ」というように考えるでしょう。
こうした経験を積み重ねると、「順序」ということのたいせつさを理解していきます。
同じことをするにも、順序を変えるだけで楽にもたいへんにもなる。
そして、よく考えれば、実際にやってみなくても楽な方法を見つけることができる。
こういうことがわかっていくのです。
なにより重要なのは、子どもがそれを、体験をとおして知ることができるということです。
お母さんのアドバイスがあったにせよ、かならず子どもは感覚的に確かめることができます。
たとえば、「ぞうきんがけは、汚れの少ないところを先に」と教えられて、あとで実際にぞうきんを見れば、たしかにこのぞうきんで棚を拭いたら、かえって汚れてしまいそうだ、ということを実感できるはずです。
順序だててものごとを考えるという発想は、高学年以降の算数ではとてもたいせつなことの一つです。
しかし、口による説明だけでは、実際の使い方もありがたみも、なかなか理解させることができません。
子どもが体験を通して身につけていれば、こんなにすばらしいことはありません。
もちろん、この発想がほんとうに役に立つのは、社会に出てからです。
同じことをやってもどうも人より時間がかかり、「要領の悪いやつ」「グズなやつ」と呼ばれてしまうような人は、子どものころにあまり親の手伝いをしなかったのかもしれません。
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