「わかる」子どもは、「できる」ことの大切さもわかっている
「わかる」ことのたいせつさばかり強調してきました。
このあたりで「じゃぁ、わかってさえいれば、できなくてもいいんですか?」という質問がきそうです。
もちろん、そんなことはありません。
どんなに問題の解き方がわかっていても、計算違いで答えがまちがっていたら、やはりテストでは×がつきます。
答えはわかっていたのに、漢字をまちがえた。
これもやはり×です。
とくに、解答欄に答えだけを書く形式のテストの場合、考え方がわからなかった場合も、考え方はわかっていたのにうっかりたし算の繰り上がりをまちがえただけの場合も、まったく同じ減点をされることになります。
「わかっていること」がちゃんと評価される、システムになっていればいいのですが、現在の学校教育は、残念ながらそうではありません。
答えが正しいか正しくないかははっきりわかりますが、考え方がわかっているかいないか、わかっていないとしたら、どこまでわかっていてどこからわかっていないのかを、答案用紙から正確に判断することはひじょうに難しく、ましてそれを、点数という形で表すことは至難です。
また、ただでさえ忙しい先生は、テストの採点にそんなに時間をかけることはできません。
その結果、答えだけを評価するという形のテストがふえることになります。
こうなると、「わかってはいるけれども、計算や漢字が苦手な子ども」たちは、挫折を感じることになります。
「わかった」という喜びも、低いテストの点数を見てがっかりしてしまうとしたら、こんなにもったいないことはありません。
どんな子どもでも、そんな経験を繰り返していたら、やはり、だんだん勉強がいやになっていってしまうのではないでしょうか。
でも心配することはありません。
お母さんが、子どもの「わかっていること」をきちんと評価してあげればいいのです。
たとえば、子どもがテストを持ち帰ったときに、
「いちばんたいせつな考え方はちゃんとわかってるんだから、偉いわね。
でも、計算違いをしただけでこんなに点数を引かれて、とっても残念ね。
毎日計算の練習をして、まちがえないようになりさえすれば、すぐにいい点数がとれるようになるわよ」
とか、
「読み取りはちゃんとできてるんだから、国語の力はあるのね。あとは、漢字さえきちんと練習すれば、点数もあがるわね」
というように言ってあげます。
こうした言葉で、子どもは失いかけていた自信を回復します。
そして、しぜんに計算や漢字を練習しようという気持ちになります。
「わかっているけどできない」ことの悔しさをいちばん痛感しているのは、いうまでもなく子ども本人です。
わかったときの喜びも、記憶に残っています。
ですから、あとは練習さえすれば「できる」ようになる、ということがわかれば、人一倍努力するものです。
努力した結果、テストの点数が上がれば、もう大丈夫です。
その子どもは、「わかる」ことと「できる」ことがそろえば喜びが二倍になるということを、自らの体験で知ることができたのです。
その喜びの大きさは、「できる」だけの子どもには絶対に経験することのできないものです。
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