子どもは「勉強のおもしろさ」を知ればやる気が出る
現代の教育をめぐる状況について色々書いてきましたが、私がいちばん言いたいことは、点数を取ることだけではなくて、「勉強って、わかるとおもしろいんだなあ」という子どもが増えると、変な競争意識がなくなるということです。
そういう子は自分から自然に勉強しはじめます。
ほかの子に負けたくないという気持ちで勉強するのではありません。
たとえば、算数だったら算数がおもしろい、理科だったら理科がおもしろいから勉強する子がいます。
マイペースで勉強しますし、コツコツやっていますから、結果的に、競争意識をもっているお母さん方が羨ましがるような学校に合格できるのです。
そのためには、お母さん、お父さんから、まず「受験競争はたいへんだ」という意識をなくしてほしいと思います。
ご両親がくぐり抜けてこられた受験競争と比べても、現状はそれほど悲観するものではありません。
それでも、一部の受験競争が激化している学校をうけさせようと希望するなら、そのときは隣近所と競い合うのではない方法でお子さんに勉強をすすめてほしいと思います。
「隣の○○ちゃんよりいい点をとれた」ではなく、「全体でいまこの辺にいるから、もうすこしがんばってみよう」とか、「わかると勉強っておもしろいでしょ。こうして勉強していくとどんどん問題が解けるようになるんだよ」と、このように子ども自身の興味を引き出すようにしてほしいのです。
これが「わかる」と「おもしろい」勉強なのです。
しつけが子どもの学力に大きく影響していることはまえにも述べました。
しつけの基本は、「誰々がしているから同じようにしなければいけない」のではないし、ましてや「きちんとやらないと誰々に叱られるからそうする」というのではありません。
かならず、なぜそうしなければいけないのかを理解させることが必要ですし、「こうしてくれると、お母さんはうれしい」とか「こうしてもらえないとお父さんは悲しい」のように、かならず、そこに、子どもとお父さん、お母さんの関係が必要です。
そうしないと、子どもはしつけられません。
これは、「わかる」と「おもしろい」というのに似ています。
ですから、「わかる」ということに興味を示す子どもはすごく伸びます。
そういう子はまた、勉強をすすんで「わかろう」とします。
それに比べて、要領のいい子で、「こんなの適当に公式に当てはめておけばいいんだ」と疑問があっても割り切ってやっている子は、かならずといっていいほど途中で伸びなくなります。
つまり、「わかる」ということにこだわると、まず、これから必要になる学力を身につけることができます。
それから、競争意識をそんなにもたなくてもすむようになります。
他人に勝つための勉強ではなく、自分がほんとうに楽しいと思える勉強です。
そうした意識で勉強すれば、激化している受験競争は緩和されてくるのではないでしょうか。
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