母(父)子家庭 子育てについて
現代では、シングル・マザーとかシングル・パパとかが珍しくはなくなりましたが、
こと子どもをめぐる「家庭のあり方」となると、まだ、両親そろったケース、それも両親が仲むつまじく暮らしているケースだけが取り上げられる傾向にあるようです。
いうまでもなく、父母であることと、夫婦であることは、つねに両立するとはかぎりません。
いくらいっしょにいても、不仲で修復の望みさえないばあいには、子どもは同時に両親に甘えることはできません。
また、子どものためだけに無理に仲むつまじく装っていくのも、果たしてどんなものか。
たがいに消耗が耐えがたいほどなら、むしろ別れたほうが新しい展望が開けるのではないでしょうか。
そのさいには、世間体や経済上の制約がのしかかってくるでしょうが、それは一生にかかわる問題として勇気をもって決断されてよいことです。
しかし、子をもうけた男女が別れるのはすごく大変なこと。
どうしても情が残るでしょうし、子どもへの愛着もあって、とてもかんたんに清算できそうにありません。
まして、子どもにとって父母は、自分をこの世にもたらした人。
成長につれて、自分はだれの子か確かめたくなり、実の親を知らなければ調べてみたくもなるものです。
この宿命を、親は重く受け止めておかねばならぬでしょう。
別れた相手のことを子どもがたずねてきたら、その場にふさわしいかたちで、はっきりと教えてやるべきだと思います。
また、別れた相手と会わせるかどうかは、子どもと自分と相手の三者がその必要を感じたら、会わせるのがよいと思います。
そのさい、ある程度のとりきめはかわしておくべきですが。
人情の中で育てる
さまざまな事情から母(父)子家庭になったばあいも、世間の目などひとつも気にすることはありません。
自分でそういう生き方を選んだか、そういう運命になったので、いまはひたすらその道を歩むほかはないのです。
むしろ、夫がいない分だけ、わずらわされずにしっかりと育児ができたり、
妻がいないために普通の男より生活力がついて、子どもから愛着と尊敬を受けられるくらいに思って、おおらかにやってほしい。
子どもがかわいそうだとか、不欄などと考える必要はありません。
家族にもいろいろなタイプと内実があって、母(父)子家庭もそのひとつ、子どもはそうした暮らしをともにする仲間になってもらったらよいのです。
母(父)子だけだと、なにかとピンチに弱いこともありますから、公的援助はもちろん、友だちや近所のひとたちの力を借り、つき合いを広くもって、その人情の中で親子が生きるようにしたらいいでしょう。
ただ、まわりからの援助は気持ちよく受けるとしても、それに甘えないようにはしたいものです。
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