親父のスタンス
子育てでは、父親というのはどうも割が悪い、自分だけ取り残されたような感じがすることが多いと感じているでしょう。
それはそのはずで、そもそも子を宿すのは女性、男ははたから見聞きするほかありません。
生まれるときも、たいていは産院の廊下、タイミングが悪いとあとからあたふたと駆けつける始末です。
生まれてからにしても、ハンディは決定的。
なにより男にはふくよかなおっぱいがありません。
いくら女に負けない育児をしたいと思っても、乳房をふくませている姿を見せつけられてはお手上げ。
母子の間には割り込めないみたいな気分になるのも無理はありません。
まして、男が「おれは稼ぐ、育児はおまえにまかせる」というスタンスをとった場合には、ますます母子から浮き上がらざるをえないでしょう。
気まぐれに子どもの相手になることはできても、ひとたび世話が必要となれば、たとえちょっとしたことでも、母と子のむつみ合いからはずされてしまうにちがいないのです。
それでよいのだ、男は寂しくても家族を養い、妻を精神的にリードするのが務めなのだという考えがあるかもしれません。
世間には、父親は大局的なところで子に感化を与えるべきだという意見が強いようです。
しかし、それでは子どもとのこまごまとした、しかし懐深いところでの接触は少なくなるにちがいありません。
そして、父と子との人格的な交渉も上滑りになってしまいそうです。
たとえ男性が社会的に広い視野を持っているとしても、生活のすみずみで発揮されなければ、子どもにはとどきにくい。
妻を介してといっても、子の世話の機微を知らなければ、説得力に欠けると覚悟しなければなりません。
それに、このようにしていたら、せっかく子どもを持った楽しみも満喫できないのではないでしょうか。
男だって、わが子のかゆいところまで手を差し伸べてやりたい気持ちはあるのに、そこをパスしてしまうのですから、親冥利を十分に味わえそうにありません。
父親も断然子どもに肉薄するスタンスをとるべきだと思います。
少々の照れや面倒くささは乗り越えて母親と同じ世話をすれば、きっと確かな手応えをえられるでしょう。
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