かわいがるよりも子どもの行いを認めよう
「子育てには愛情が何より大切です」と言う人がたくさんいます。
もちろん子どもの成長に親の愛情は大切です。
しかし愛情とは何でしょうか。
かわいがりすぎて子どもがよく見えなくなっている親もいます。
子どもが迷惑がっているのに、親だけが「愛情が大切だ」と、子どもに愛情の押し売りをしている人もいます。
子どもは生まれたときから自立へのスタートが始まっているのです。
上手に自立させることも、親の大切な愛情です。
甘やかすことと、愛情をかけることは違います。
子ども達が求めているのは、やさしくされることではなく、認められることなのです。
一人前にいろいろできるということを認めてもらいたいのが、子どもの願いなのです。
この承認の欲求は、子どもにとっては愛情の欲求よりも強いものがあります。
場合によっては、「自分は能力がある」と過剰に誇示したりします。
この自己顕示欲の強さは、子どもがまだ真の自分に自信が持てないことを現しています。
それなのに自分が親に保護してもらうことを、受け入れがたいと感じているのです。
失敗するのではないかとか、笑われるのではないかといったような自意識は、もっと年齢を経てから出てくるものなのです。
しかし最近の子どもは認められることが少ないせいか、あるいは自分がいろいろなことを体験しているという実感を持っていないゆえか、この失敗を恐れる子どもが多くなっていると感じられます。
このような子どもにしないためにも、親はもっと子どもの行動を認めてあげてほしいものです。
まだ四歳の小さな子どもがお母さんと通りを歩いていました。
途中で子どもが、石につまずいて倒れました。
ひざを強く打ったせいか、大きな声で泣き出しました。
一瞬、お母さんは、子どものそばに駆け寄りました。
お母さんは「怪我しなかったかな?」とやさしく声をかけて、子どもの傍にじっと立っていました。
すぐに子どもは自分で立ち上がりました。
お母さんは
「自分でがんばって立ち上がれたね。ちょっとひざを見せて」
とここで初めて子どもを抱いてひざを調べました。
「かすり傷だね。一人で歩けると思うけど、どう?」
とやさしく言いました。
子どもも
「痛かったけど大丈夫。僕強いの。一人で歩ける」
と泣きやんで、また歩き出しました。
普通は転んだりすると親は
「何よそ見して歩いているの。ちゃんと歩かないから転ぶのよ」
とか、すぐに抱き起こし
「だいじょうぶ? 痛かったでしょう。お母さんおんぶしてあげるからね」
と言って、すぐに救いの手をさしのべたくなります。
子どもが転んで泣いているのを見守ることは、一見愛情のないお母さんに見えるかも知れません。
しかし子ども達は弱い自分を守ってもらいたいと思っているだけではないのです。
自分の行いを認めてもらうということも、子どもにとってはとてもうれしいことなのです。
すぐに抱きかかえることの方が、親にとっても楽なのです。
じっと子どもが自分の力で起き上がるのを待っていることは、とても勇気がいるのです。
子どもが自分で乗り越えることができるということをしっかりと信頼していないとできないのです。
愛情は当然必要ですが、子育てのなかで成功するためには、子どもの行いを認めることがより大切になります。
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