子どもに失敗から学ばせることを教える
いまの子どもは全体に甘やかされていると思います。
しかしこれは子どもを叱ったり、厳しくしつけていないということではないのです。
いまの子どもが豊かな物のなかで溺れているということも事実でしょう。
食べ物に感謝したり、物を大切にしない現象があちこちに見られます。
ある小学校の先生が言っていました。
ゲームボーイやファミコンのカセットを平気で忘れていく。
学校で忘れ物を保管していたが、ぜんぜん取りにこない。
何日かして先生が
「この忘れ物は君のではないか」
と聞いても、子どもは
「新しいの買ったから、それ捨てていいよ」
と言う。
先生は子どものそういう行動を嘆いていましたが、しかし物を大切にしなくなったのは子どもだけでなく、日本人全体に言えることでもあります。
私の住む団地でも大型のごみを出す日には、まだ使えるテレビやテーブルがどんどん捨てられています。
ちょっと手を加えればまだ十分使える自転車が何台も駅前に放置されています。
しかしこのような現象からいまの子どもが甘やかされていると言っているのではないのです。
いまの子どもが甘やかされていると言うのは、
失敗から学ぶという体験を、ほとんどしていないからです。
親の側に「子どもに失敗させてはいけない」という強い不安があるのです。
親が先回りして失敗をしないようにしてしまうのです。
いま塾に行かせなければ将来落ちこぼれてしまうのではないかと心配し、子どもがいやがっていても無理にでも行かせるのが親の務めだと考える。
子どものためにと考えて、失敗から子どもを守ろうとする。
このことが子どもへの愛情だと考えているのです。
これは少し違うのではないでしょうか。子どもを本当に信じているのでしょうか。
一度は失敗をするかも知れません。
しかしいまの親は子どもが失敗から何かを学び、必ず立ち直るということを信じる勇気を持てないのです。
子どもをいつまでも自分の監視下で保護しつづけることが親にはできないのですから、子どもが自分で失敗から立ち直るように育てておくことが大切なのです。
体験を通して子どもは、社会で生きていくことのできる力を育てているのです。
失敗を恐れず、子どもに失敗から学ばせることが大切なのです。
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