世のなかには罰ではなくルールがあることを教えよう
寛(仮名)君は小学五年生です。
五時に帰ってくると約束した寛君は、友達と遊ぶのが面白く、つい五時に帰るのを忘れ七時に帰ってきました。
お母さんはすっかりおかんむりです。
「あんた、いま何時だと思っているの。七時よ。
五時に帰ってくるって言って遊びに行ったのでしょ。二時間も遅いじゃないの。
何やってたの。約束守らないで。本当にお前はうそつきなんだから。
約束を守らないのなら、明日から遊びに行ってはいけません」
と怒っています。
「僕だって五時に帰ろうと思っていたよ。だけど友達誰も帰らないよ。
僕が帰ってきたら、メンバー足りなくなってゲームができなくなるよ」
と言い返します。
お母さんは
「つべこべ言わずに早くご飯を食べて、宿題をしてしまいなさい」
と強い調子で言います。
寛君は納得できない様子でぶすっと食事を始めました。
このお母さんの対応では子どもの年齢が小さいときにはいいのですが、寛君が大きくなると心配です。
お母さんはもっと寛君の言い分を聞いてあげる必要があります。
この会話では、寛君はお母さんが一方的に「明日遊びに行くことを禁止した」ととります。
子どもはどんなときでも命令されるのはいやがります。
子どもをしつけるコツの一つに叱るのではなくルールを使う方法があります。
同じく寛君とお母さんの会話です。
約束を守らず七時に帰ってきた次の日です。
寛君「お母さん友達と遊んでくるよ」、
お母さん「遊んでくるのはいいけど、何時に帰ってくるの」、
寛君「五時には帰ってくるよ」、
お母さん「わかったわ。もし五時に帰れなかったらどうする」、
寛君「電話で連絡するよ」、
お母さん「わかった。遅れるときは電話してね」。
このように約束を守れなかったときはどうするかを決めておくと、寛君も遅れるときに電話をかけてくるようになるでしょう。
約束(ルール)を決めるときに、その約束が守れなかったときに、どうするかを決めておくことが大事です。(メタルール)
子ども達に守らせなければいけないのは、このメタルールなのです。
「他人のお金を盗んではいけない」というのは、ルールです。
「人のお金を盗めば裁判によって服役する」というのが、メタルールです。
ルールを破ったときにはこのメタルールによって処罰されるのです。
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