感情的になると、親子関係は悪化してしまう
子育てのなかで、親もつい子どもの行動に感情的になってしまうことがあります。
というよりほとんどが感情的なしつけかも知れません。
この感情的なしつけは多くの場合、怒りの感情です。
具体的には叱るというやり方です。
子どものために叱るという親の意識的な気持ちはその通りだろうと思いますが、
無意識的には自分の言う通りにならない子どもに怒りの感情を向けていることがよくあります。
怒りの感情には怒ることによって、相手を支配したいという気持ちがあります。
感情は対人関係のなかで相手を操作するために使われます。
すなわち感情は目的を持っています。
私達を苦しめる感情には大きく分けると不安、憂鬱、怒りの三大感情があります。
怒りについてはすでに述べました。
不安の感情は、未来と関係がある感情です。
不安は過去の出来事や、現在の出来事には関係ありません。
未来を想像して、その不透明なことに不安を感じるのです。
子育てのなかでも不安はよく起こってきます。
「このままでは受験に失敗してしまうのでは、いや間違いなく失敗してしまう。どうしよう。心配だ」
と未来を不安がります。
子育ての失敗の多くは、この不安に駆られた子育てです。
親の不安は結局子どもが何かに失敗して、将来不幸になるのではないかということが中心です。
子どもの失敗を回避するために、先回りをして子どもに失敗をさせないように手助けをしています。
これは子どものためにという名目で行われる、甘やかしです。
この甘やかされた子どもがたくさんいます。
結局、子どもは自分で未来の人生を選ぶ自由を得ることができなくなります。
親に従っていれば安全だという、依存的な対人関係を学んでしまいます。
不安は心配を生み出し、子ども自らが決めなければならない出来事に、親が手を出すことになってしまいます。
次は憂鬱です。
これもよくある感情です。
憂鬱は過去と関係がある感情です。
過去に自分のなかで未解決の問題が残っていると、現在の感情に憂鬱感を与えます。
過去にこだわりがあるのです。
憂鬱は自分が憂鬱であることによって現在の課題を回避しています。
何もできないことを強調し、それゆえ憂鬱であるという事態を弁解します。
感情的にならないためには、逆説的ですが自分の感情に気づくようにする必要があります。
そのためには感情的だなと思ったらその場から離れることです。
そして三分もすれば感情はだいたい収まります。
その後に、自分は何に感情的になっていたのかを考えるのです。
聖子(仮名)さんは中学一年生です。
よくお母さんともめます。
帰りの遅いことでお母さんは怒っています。
もちろん聖子さんも「うるさいママ」に腹を立てています。
そのお母さんが
「ちょっと待って。お腹が痛くなったので少しトイレに行ってくる」
とその場を離れました。
するといままでカッカしていた気持ちが収まってきて冷静になりました。
トイレから出てきたお母さんも普段の気持ちに戻っています。
聖子さんは
「お母さんごめんなさい。今度はもう少し早く帰ってくるように努力する」
と素直に謝りました。
お母さんもすっかり落ち着いていました。
「そうしてね」で話は終わりました。
子どもともめているときは親も子も感情的な場合がほとんどです。
「うれしいな」とか「楽しいな」というような感情は子育てに大いに役立ちます。
しかしここで述べたような否定的感情はまず間違いなく親子の関係を悪くさせるのです。
感情的になったなと思ったならその場を離れ、時間をおいて感情が静まってから話し合いをすればいいのです。
子どもたちは無意識的に大人を感情的に挑発してきます。
親が感情的になっているときは子どもの挑発に乗せられているときなのです。
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