孤独な育児の危険性
若いお母さんを中心に虐待と言われる問題も起きています。
公園デビューなどと関連があるのですが、いまのお母さんは、子育ての相談できる相手もおらず、孤立しています。
ストレスがたまり、そのはけ口が小さな子どもに向かってしまうのです。
虐待してしまった後、そのお母さんはひどく自分をいやになり落ち込んでしまいます。
それでもまた我慢できなくなり、虐待してしまうのです。
そしてまた落ち込むという悪循環を繰り返しています。
子どもの様々な問題に一人で対応することは大変なことです。
相談し、支援してもらえる人がいないことが、いまのお母さん達、特に若いお母さん達の子育てのストレスになっているようです。
自分の言うことを開かずに、泣き続ける我が子をついたたいてしまうということが日常茶飯事になってしまいます。
これが繰り返されると、この子さえいなかったらと、極端な場合、子どもを殺してしまうこともあります。
また、虐待は多くの場合繰り返される可能性があるのです。
虐待を受けた子どもが大人になったときに、再び我が子を虐待してしまう。
そのような悲劇の繰り返しがよく起きるのです。
若いお母さんの話です。お母さんは専業主婦です。
赤ちゃんが生まれる前はデザインの会社で仕事をしていました。
自分も気に入った会社だったのですが、妊娠を機に会社を辞めて子育てに専念することにしました。
はじめは子どもがかわいくて夢中で育てていましたが、だんだん子どもも思うようにならなくなりました。
二歳になった子どもは部屋中を散らかします。
注意すると火がついたように大きな声で泣きます。
近所への迷惑を考えると身のちぢむ思いがして、子どもの好きにさせてしまいます。
家で少しはデザインの仕事ができるかとも思っていたのですが、いつまでたってもそんな時間はありません。
じっと我慢していろいろな子育ての本を読んだり、自分なりには一生懸命がんばっていました。
ところが子どもの方はますます自分の思う通りになってくれません。
イライラが限界に達したときだったのでしょう。
「牛乳をこぼさないように飲むのよ」とコップを子どもに渡しました。
お母さんが別の片付けをしているときに、子どもはわざとこぼしながら遊んでいます。
それを見つけたお母さんは切れてしまいました。
「何であなたはお母さんの言うことがわからないの」と、思いきりたたいてしまいました。
気がつくと子どもの腕のあちこちに青あざができていました。
「何てことをしてしまったんだろう」とひどく落ち込んだ気分になりましたが、その事件を契機にいつのまにか我が子をたたいては落ち込む子育てになっていきました。
幸いお母さんはこれではいけないと気づき、自分から相談の電話を保健所にかけました。
保健婦さんが丁寧にお母さんの謡を聞いてくれました。
ご主人の子育てへの協力も得られるようになりました。
保健婦さんに教えられ、育児仲間もできました。
デザインの下請けもほんの少しですが引き受けてもみました。
一年後には「何であんなに自分がイライラしていたんだろう」と不思議に思うほど親子の関係もよくなりました。
自分の気持ちがイライラして子どもをたたいてばかりいるお母さんには、専門家の手助けが少しいるかも知れません。
子育て仲間やお父さんの協力も必要なのです。
そうすればイライラして子どもをたたき、自分で落ち込んでしまうという悪循環から抜け出ることができるのです。
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