中学生の子供に対する接し方
子育てから、一人の大人としての付き合いへ、
親は気持ちを切りかえよう。
中学生になると子ども達は急激に変化してきます。
小学校の後半からは身長も伸び出し、第二次性徴である声変わり(男子)や身体の丸み(女子)も見られてきます。
決定的なのは男子には夢精が女子には生理が始まることです。
児童期は性というものをほとんど意識しなかった子ども達が自分が性的存在であるということ、言い換えれば自分の性的衝動をどう抑えるかという課題に直画します。
これは、心理的現象というより生理的な一つの成熟現象ですが、このことが子ども達に心理的な変化を引き起こします。
中学生の特徴
(1)刺激を求める
中学生になる頃から、何かに夢中になることがあります。
多くはクラブ活動であったり、ロックやジャズに夢中になったり、ときにはゲームセンターに入り浸りになることもあるかも知れません。
このような活動の背景には性的衝動の突き上げがあります。
猛々しくどこかイライラし出します。
ささいなことですぐに興奮することもあります。
また、暴力的になることもあります。
大人への批判も厳しいものになり、否定的になります。
極端な行動に走ることもあります。
親はこのような子どもを見て戸惑います。
今度はどんな行動をするのか心配してすごしたり、子どもの行動にショックを受けて、驚くばかりでなく傷つけられたと感じて怒ったりすることも珍しくありません。
多くの場合こうして親と子どもは対立的な関係になり、
子どもを小学生時代のように力で抑え込もうとしてみたり、それが不可能とわかると全くあきらめて何もしなくなるようになっていきがちです。
(2)仲間から受け入れられようとする
性的な新たな変化は親への秘密を作るようになります。
何でも親に話していた素直な子どもでも自分の性については、特に反対の性の親には話せなくなります。
よく中学生の親から
「最近うちの子どもは私に何も話してくれない」
と嘆きの話を聞くことがあります。
子どもが親にあまり自分のことを話してくれないのは淋しいことかも知れません。
しかしこの秘密を作るということは親離れの、言い換えれば自立の最初の現れなのです。
中学生になって何でも親に話しているとすれば、それは少し自立への準備が遅れているのかも知れません。
秘密を作るようになった子どもは、性についての不安を友達のなかで解消しようとします。
中学生は友達の構造が大きく変わります。
小学生時代の遊びを中心とした遊び友達から少人数のいわゆる親友に変化していきます。
この親友は少人数でいつも一緒に行動するような仲間です。
仲間内だけで通用するような言葉を作ったり、共通の持ち物を持ったり、秘密を共有したりして、仲間の団結を強調します。
また、親を含めた他の人達が自分達に干渉することをひどく嫌います。
自分の所属している仲間が批判されると、自分が批判された以上に怒ります。
特に、親が仲間を批判したりすると、親を猛烈に憎みます。
子どもは仲間に受け入れられようと必死です。
仲間の価値観の方が親のそれより優先します。
この時期の子どもの最大の目標は広く仲間に受け入れられるということなのです。
むしろ仲間を批判しないで見守っていれば、少なくとも親と子の関係は悪くなりません。
しかし親は多くの場合自分の子どもが選ぶ仲間が気に入りません。
なぜなら親が与えた友達ではないからです。
そこで子どもの仲間に不安になったり、気をもむようになります。
仲間を批判したり仲間から抜けるように強要すれば子どもは激しく反抗します。
友人との付き合いをやめるということはまずありません。
強引にやめさせたとしても子どもは無気力を装って親に抵抗してきます。
(3)自己の確立
中学生になると物の見方が拡大していきます。
将来の自分のことについてもある程度現実的に考えられるようになります。
自分が勉強でどのくらいの順位にいるのか、
どういう学校を出れば有利な職につけるのか、
親の職業は社会的にはどのレベルのものなのか、
将来なりたいものになるためにはいま何が必要か
等です。
特に他人の評価が気になり出します。
周りの人が自分をどう見ているかということです。
自分で自分を価値付けることのできない子どもは、自分の価値を他人にゆだねます。
親や学校の先生、または友達です。
多くの場合周りの大人は無条件で子どもの価値を認めるということをしません。
常に条件を付けて子どもを承認します。
「有名高校へ入れそうな点数を取ったらお前を認めてやる」
とか
「お母さんの言うことを聞いていればいいの。お前はまだ子どもなんだから」
等の言葉は子どもの自分への価値を低くしてしまいます。
「親にまだ全然信用されていないのか」
「俺はダメな人間だ」
「俺なんか嫌いだ」というように考え出します。
こうなると子ども達は必要以上に自分を高いものだと見せようとして、親や同年齢の子どもをけなしたり、批判したりしてきます。
また必要以上に自分の才能をひけらかそうとしたりします。
他人を見下したりすることもあります。
反対に
「どうせ大人が自分を認めず価値のない人間だと考えているのなら、そのような人間になってやれ」
と自分で決心してしまう子ども達もいます。
中学生で問題を起こす子どもの大多数がこの否定的自己同一視と言われる選択をしています。
親の役割と対処の仕方
さて、このような中学生時代に親はどのように付き合ったらいいのでしょうか。
子ども達は小学生のときと違ってほとんど親を尊敬しなくなります。
親の言うままに自分の行動をするより、仮に失敗するかもわからなくても自分で決めて行動をするようになります。
多くの場合親の感情を揺すぶるような行動をします。
特に親を怒らせることが多くなります。
いわゆる主導権争いを挑んでくるのです。
対立が激化し、争いが繰り返されやすくなります。
しかし、子どもと親が対立したときどんなやり方をやっても、対立のなかでは最終的には子どもが勝ちます。
まず親は争うことを避ける必要があります。
いくつかの場面を検討します。
「あきらめるんじゃない。もっとがんばるんだ。
お母さんだって失敗はあったけどくじけなかったわ。私だってそうしたんだからあなたならできるわよ」
失敗した子どもに自分の成功談を言うことは相当のストレスを与えます。
子どもは
「お母さんにできたのに自分はできない。自分は最低だ」
と考えがちです。
「成績が良くなくて残念に思っているかも知れないけれど、一生懸命にがんばっていたのはお母さんよくわかっていたわよ」
がんばったという事実が大切なんだということを子どもに気づかせます。
がんばった事実を子どもが受け入れられれば、自分ががんばれる人間だという自信を持てるようになります。
子どもの良いところを見つけるには結構努力がいるものです。
特に失敗したときの言葉かけは気をつけないと子どもの心を傷つけます。
試験勉強をサボった結果、ひどい結果が返ってきました。子どもは反省し、期末テストはがんばると言っています。
子どもが自分の過ちを認めて直そうとしている状況だと仮定しましょう。
「お前はいつも気がつくのが遅いんだから。今度からはもっと早くから始めるんだよ。同じ失敗は二度としないこと」
これは子供を傷つける言い方です。子供はストレスがたまり、開き直って、
「もっとダメな子になってやろうか」などと考えたりします。
そうではなくて、こういってみましょう。
「何がいけなかったか気がついたね。自分ではどうしたらよいかわかるようになってうれしいよ」
このように、同じ場面でも、親の対応によって子どもに与える影響に正反対のものになります。
成功する対応の仕方をしっかり身につけて、子どものやる気を引き出してほしいものです。
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