思春期の子どもの問題
親への反抗、異性の問題、非行などの逸脱行為。
いつの時代にもあった揺れ動く思春期の子どもの問題です。
それは、年ごろの子どもをもつ親の共通の悩みであり心配ごとでした。
だが、この思春期の子どもの問題が社会問題になるなどということはありませんでした。
思春期まっただなかの中学生を中心とする子どもの問題が、日常的に社会問題になるようになったのは、一九六〇年代に入ってからのことです。
万引きや性的非行などの遊び型非行の広がり。
シンナーなど、薬物に溺れる子どもの問題。
そして校内暴力、いじめ、自殺。
さらに、現代的な子どもの問題として登場してくるのが登校拒否、家庭内暴力、拒食症などの病理的な子どもの問題です。
そして、これらの問題は、一部の例外的なものを除けば特殊な子の特殊な問題ではありません。
その本質は、思春期における発達のつまずき、発達途上にある子どもの苦悩の現れです。
そもそも思春期というのは、いつの時代にあっても、その発達上の特性からさまざまな危機をはらむ年代なのです。
思春期まっただなかの中学生という年代は、性的成熟に向かって急激にからだが変化する時期であるとともに、
心の面においても自立をめざして飛躍的な成長をとげる輝かしい年代です。
しかし、そのことが同時に、子どもを大きな不安と動揺におとしいれ、さまざまな過ちを引き起こしたりする原因ともなるのです。
加えて激化するいっぽうの受験戦争は、このような中学生の危機的状況をさらに増幅しています。
まさに、中学生は悩み多き年代であり、中学生が、校内暴力、登校拒否など社会問題になるような子どもの問題に常に主役として登場してくるのはそのためです。
ところで、時代の変化とともに、このような思春期の危機は増大し、深刻の度合いを深めています。
わが子の心がつかめず、とまどい、悩む親が多くなっています。
わけもなく荒れたり、堅く心を閉ざす子どもにはどこす術を知らず、親としての自信を失いかけている者も少なくありません。
いったいなにがこのような事態をもたらしたのでしょうか。
経済の高度成長がもたらした豊かなモノ社会の出現は、いっぽうで子どもの発達にとって欠くことのできない地域や家庭を構造的に破壊し、
その教育力を大きく衰退させると同時に、子どもをとりまく人間関係をも希薄にしました。
さらに、大企業の要請に応える能力主義の教育と学歴偏重社会のもとでの受験体制。
それに拍車をかける親たちの教育投資の過熱が、これまた子どもの発達に欠くことのできない子どもらしい生活を奪っています。
このようにして、現代の子どもたちは発達の危機にさらされることになったのです。
当サイトが、むずかしいといわれる中学生という年代の子どもを理解し、そのかかわり方を考えるうえで、少しでも参考になれば幸いです。
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