親に甘える
甘えは不安の裏返し
幼い子は、親に対して、大なり小なり甘えん坊です。
親は、幼い子から見れば、大きくて力があって、頼りがいのある存在、自分の生きることのほとんどすべてを世話にならなければならないひとです。
やさしく抱かれ、愛撫されれば安心できるし、困難に陥ったとき、ちょっと助けてくれるだけでどれだけ救われることか。
だから親としては、これには相当に応じてやるべきでしょう。
ただ甘えたいだけでべたべたするときでも、こちらに受け入れる余裕のあるかぎり、甘えさせるのもわるくありません。
親に十分甘えられた経験は、子ども時代を安定させるだけでなく、おとなになってからの心のおおらかさのもとになるような気がします。
もし、冷たく突き放されたら、孤独で、満たされぬ甘えを一生にわたって持ちつづけることになるかもしれません。
子どもには、つねに親がいなくなる不安がつきまとっているのではないでしょうか。
しらぬ間にどこかへ行ってしまったとか、自分のことを忘れたかのようにぼうぜんとしているとか、何かに夢中になっているのを見ると、子どもはいてもたってもいられなくなるようです。
これも、やはり、保障してやらなければ。
いつでもそばにいてくれる。
いなくなってもすぐもどってくる。
それがかなわぬときでも代わりのひとがいるという信頼がないと、身がもちそうにありません。
甘えには、身をゆだねることによって、相手から自分の求める行為を引き出すという意図が働いているばあいもあります。
それが察知されたときには、要求そのものに正面から立ち向かってやりたい。
そして、きける要求はきく、のめない要求はきっぱりと断るのがよいでしょう。
そうすれば、結果としてどうなっても、卑屈な態度は取らなくてすむようになるでしょう。
態度だけ責めて要求ははぐらかしたり、逆にかわいさから無条件に受けいれてしまっては、この種の甘えをなくすことはできそうにありません。
しかし、あまり度をすぎて甘えさせるのは考えもの。
いくらかわいいからといって、いつまでもべたべたさせておくのは、子どもからもっと充実した行動をする意欲を奪ってしまいそうです。
いっしょになにかを始めるとか、親から離れたくなるほど魅力的な遊びに気づかせてやる工夫が必要です。
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