子供の離乳時期について
赤ちゃんが三、四ヶ月になると、そろそろ「離乳」のことが気になってくるでしょう。
この時期には離乳の準備をはじめ、五ヶ月ごろには本格的な離乳に入らなければならないと、たいていのひとが本を読んだり、医者や保健婦に聞いたりして、にわか勉強を始めるようです。
なんだかたいへんなことのようですが、離乳というのは、つまり、おっぱい以外のものを食べさせること。
赤ちゃんは自然に人間の食べるものを食べだすようになっていますから、そんなにむつかしく考える必要はありません。
自然体、あくまで気楽に、暮らし向きにあった方法でやるにかぎります。
そためには、まず「離乳」ということばにとらわれないのがいい。
赤ちゃんにただおっぱい以外の食べ物を与え始めるのを、そんな固いことばで考えるから、必要以上にむつかしくなってしまうのです。
栄養とか、「そしゃく」や「えんげ」の機能といった生理上の問題はありますが、それらにしたところで、常識で十分判断できること。
かえってむつかしく考えるとうまくゆかないくらい。
だから、「離乳」をほとんど意識しない二番目から後の子のほうが、なんとなくスムーズに進んでしまうのでしょう。
とすると、とにかく赤ちゃんのようすによるのがいちばん。
赤ちゃんがおとなの食べるのをじっと見つめ、口をもぐもぐさせたり、身を乗り出して手をばたばたさせでもすれば、それをきっかけにして与え始めてみるのです。
このような親と赤ちゃんの気持ちが触れあった瞬間がまさに食べさせ始めるときなのだと思います。
そして、食べるようなら大胆に進め、嫌うようならゆっくりするというふうにしたらどうでしょう。
赤ちゃんによって食べかたはちがうのだし、少々の失敗やつまずきはだれでもあるもの。
それを反省し修正しながらやってゆくのが本当のところなのです。
親の気持ちだって、もっと素直に出させてもらってもいいのかも。
「標準」とちがうからといって食べさせたいものをすべて我慢するのは、いかにもつらい。
口移しに食べさせるのだって、衛生面からだけで遠慮するのは水くさい感じがします。
食品にしても、あまりに計算ずくなのはどんなものか。
工業的大量生産のベビーフードなんかよりも、食卓にある料理で赤ちゃんが欲しがるものを適当にアレンジして与えるほうが、ずっと心が通うし、
よく食べてもくれると思うのですがどうでしょう。
離乳食で注意すること
離乳は気楽にやるとしても、赤ちゃんに食べさせるものは安全でなければなりません。
いまいちばん気をつけなければならないのは、材料そのものと添加物に含まれるかもしれない有害な人工物質です。
したがって、離乳を親といっしょに進めるばあいは、この点から家族の食生活を注意しなければなりません。
「材料」は少々手間がかかって高くついても、ほんものの自然食品を手に入れたい。
それができないばあいは、もったいないけれど、
果物なら皮をむき軸に近い部分は捨てる、
野菜は念入りに洗って皮のむけるものはむき、葉の付け根に近い部分は用いない、
魚介類は内臓を捨てる、
といった手の入れかたをしたほうがよいでしょう。
「添加物」については、まず表示をよく読むこと。
一般に、使用材料が多種で加工度が高い製品は避けたほうが安全。
中でもインスタント食品はもっとも危険が大きそう。
計り売りのおそうざいなど添加物の表示がないものは、色や光沢、食べてみての感じで選ぶか、信用できる店で買うほかありません。
離乳食の調理法
まずは形式にとらわれないこと。
離乳の初期(五〜六カ月)にはどろどろ、べたべたしたもの、
中期(七〜八カ月)には舌でつぶせるもの、
後期(九〜十一カ月)には歯ぐきでくだけるもの、
といった指導を受けることが多いでしょうが、これを守らなければならないわけではありません。
赤ちゃんによって好まれる調理はさまざま。
いろいろと試してみることです。
次にあまりビューティフルにつくろうとしないこと。
赤ちゃんをかかえた生活はた離乳食の食べさせ方ベビーフードについてだでさえ忙しいのですから、自分たちが食べるものを適当にアレンジして与えるほうが、ずっと手間がかからず経済的です。
離乳食の食べさせ方
なにはともあれ、おとなといっしょに食べさせるのがいちばん。
赤ちゃんはおとなの食べるのを見て食欲をそそられるし、食べかたも真似しやすいでしょう。
おとなだって、赤ちゃんといっしょに食べるほうが楽しいし、おいしいにきまっています。
ただ、現実には、赤ちゃんの目覚め、おなかのすきぐあいと親の都合とで食事の時間がきめられることになるはずです。
ときには、おとなの食事時間をずらす工夫も必要になってきます。
赤ちゃんといっしょに食べるということは、そうしたつき合いが要求されるということは忘れないようにしてください。
ベビーフードについて
ベビーフードはつくる手間が省けて便利ですが、赤ちゃんの食べものとしてはすすめたくありません。
というのは、なにより栄養価とか赤ちゃんの生理機能とかが平均的に計算されている点が不自然だからです。
ようするに、ひとりひとりの赤ちゃんのためにつくられているのではないということは忘れないでほしいと思います。
使うとすれば、自分でつくるのがむつかしいレバーペーストを与えたいときと、親が病気などで一時的にベビーフードでがまんしてもらうばあいなどでしょうか。
せいぜいそのくらいの出番、とうてい赤ちゃんの食事の主役にはなりえないものです。
離乳の悩み
食べものを受けつけない 食べさせはじめによくあることです。
これは親の食べさせたいという思いが、赤ちゃんの食べる気にマッチしていないだけのこと。
はやる気持ちはおさえて、しばらく離乳を見合わせるにかぎります。
この時期は食べる量は知れているので、半月やひと月おくれてもどうということはありません。
そのかわり、親が食べるのを見せるようにしてください。
やがて、じっと見つめたり、口をバクバクさせたりするようになるはずですから、
そうなったら親の食べているものをちょっぴり口に入れてみるのです。
また、食べることは食べるがほんのわずかというときも、あせりは禁物。
こういう子はまだ母乳かミルクのほうがよくて、食べものにはなじまないのでしょう。
わずかでも食べさせ続けていれば、いつかはたくさん食べ出すものです。
急に食べなくなった
食べさせはじめて一〜二カ月のころに、急に食べなくなることがよくあります。
食べさせようとすると手で妨害したり、口から吹きだしたりしだしたのなら、食べることに慣れて遊びが入ってきたのかもしれません。
そのときは食べさせることに懸命になるよりも、食事を楽しい遊びにしてやることのほうが大切。
そのうちまた食べだすときがくるはずです。
赤ちゃんのようすがどうも変、元気がないというときは、もちろん病気を疑わなければなりません。
離乳食とアレルギー
しっしんができたり、胸をぜろぜろいわせたりしていると、医者から「アトピー」だとか「アレルギー体質」と診断され、卵や牛乳は避けるようにいわれることが多いのではないでしょうか。
そういう場合には、まず落ちついて事実をよく確かめてみる必要があります。
いままで何ヶ月もミルクを飲ませてきて、なんの異常も現れていなければ、まず牛乳アレルギーではないでしょう。
少なくともひどくはないはずなので、食べ物にはいっさい牛乳を使わないなどという極端な制限はしなくてよいと思います。
母親が牛乳や卵を食べていて、母乳を飲ませているのなら、アレルギーの可能性はないではありませんが、その場合は試してみればよいでしょう。
少しずつ牛乳や卵を与えてみて、しっしんやぜろぜろが悪化することがまったくなければ、まず関係はなさそうです。
量をふやしても変わらなければ、アレルギーではなかったということです。
でも、与えたとたんに明らかに悪化したり、これまでになかった異常がでたばあいは、アレルギーの可能性が大です。
与えるのを中止して、ひと月ほどしてからごく少量を再び試してください。
それで悪化しなければ、少しずつ増量する。
だめだったら、またひと月後とくり返すのです。
食物のアレルギーは消化力がつき免疫機能が成熟するにつれておきなくなるものですから、あきらめずにくり返してみることです。
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