セルフエスティーム
あるがままの自分を受け入れ大切にする気持ち
セルフエスティームとは、「自尊感情」「自尊心」「自己価値」「自己受容」など、いろいろな意味を含む言葉で、自己概念と結びついている自分自身についての感じ方です。
一つの日本語で表すのが難しい概念であるために、
最近はself-steemという英語をそのままカタカナで読み替えて使われることが多くなったものです。
一般に自己概念が肯定的であるほど自尊感情が高いと考えられていますが、セルフエスティームの研究で著名な、ローゼンハーグ(M.Rosenberg)は、自尊感情には、二つの側面があるとのべています。
一つは、自分を「とてもよい(very good)」と考えることで、人と比べて自分は優れていると思う、優越性と関連する気持ちです。
もう一つは、自分は「これでよい(good enough)」と考えることで、人と比べるのでなく自分の価値を認め、自分を好きだと感じられ、自分を尊重することで、あるがままの自分を受容し大切にする気持ちです。
ローゼンハーグは後者の立場をとっています。
私たちは自分自身を肯定的に認識するには、人と比べて優れている、「とてもよい」という自尊感情を満たす場合もありますが、
人と比べると少し劣っていても自分の価値基準に照らして「これでよい」という自尊感情を満たす場合があります。
そしてセルフエスティームとは、他の人はどうであれ自分は「これでよい」という自尊感情をもつこと、自分をかけがえのない存在として認識し大切にする気持ちをもつことなのです。
私たちは日常生活の中で多かれ少なかれさまざまな葛藤的な場面に遭遇しています。
しかし誰でもがある程度のセルフエスティームをもっているからこそ、たとえば友だちと喧嘩をしたり、何かに失敗したり、恥ずかしい思いをしたりなどで、いっとき心が傷ついても、自分自身を肯定し再び元気をとりもどすことができるのです。
ですからセルフエスティームが高いと、自分自身を信頼し、自分の行動に自信をもち、情緒的に安定した行動をとることができますし、
逆にセルフエスティームが低いと、自分自身に否定的な感情をもち、不安感をもちやすく、自分の資質を十分にいかすことができないばかりか、心の問題をひきおこしてしまうこともあります。
つまり同じように困難な事態に出会ったとき、自分ならできるかもしれないと課題に挑戦するか、自分などにできるはずがないとくじけてしまうかどうかは、セルフエスティームのあり方の違いといえるでしょ、ゝつ。
それでは子どもの健全なセルフエスティームはどのように形成されるのでしょうか。
「自分」を認識する能力は人間に特別に備わったものですが、はじめから自分の存在価値を認識しているわけではありません。
誕生直後からはじまる親(養育者)を出発点とする人間関係の中で1歳半を過ぎる頃から「自分というものがある」ことに気づくようになり、
徐々にその自分の価値や能力についての感覚・感情をもつようになります。
とくに6歳頃までは、自分が自分であるという存在価値を感じること、「自分」の根っこを形成する過程として大切にしたい時期です。
健全なセルフエスティームの形成には、まずそれぞれの子どもがその成長過程で出会う「重要な他者」から尊敬、受容、関心のあるかかわり方を受けることが必要です。
たとえばある能力の面で劣等感をもっている子どもが、親や親しい友だちから勇気づけられ、受容、支援をえられることによって、かえってその子らしい能力を発揮し、セルフエスティームを健全に発展させるというのはよくあることでしょう。
最後に、親自身のセルフエスティームが高いと子どもを受容しやすい傾向があります
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