性格は脳内物質で決まる?
脳内物質は気分の変化だけでなく、人間の性格にも影響を及ぼしています。
アメリカの精神科医、ロバート・クロ二ンジャーによると、
ドーパミンという脳内物質は新しいことや珍しいことに輿味をもって衝動的にものごとを探究していく「新奇追求性」という性格に関係しているといいます。
セロトニンは危険が予測されるときにそれを回避しようとする心の動きに関係していて、不安や人見知りに、またノルアドレナリンは、いいことが起きたときに「このままこの"いい状態"が続くんじゃないか」と思う心の動きに関係しているといいます。
最近の研究から、神経と神経の接合部で脳内物質を受け取る受容体に関連する遺伝子と性格との関係が解明されてきました。
遺伝子というのは、私たちのからだをつくるアミノ酸という成分の配列を指定する設計図で、アデニン、チミン、シトシン、グアニンという4種類の分子(塩基ともいう)で構成されています。
これら4つの分子は、さまざまな順番で3個1組になり繰り返しつながっていて、それが暗号となってアミノ酸の配列を指定しています。
イスラエルのリチャード・工ブスタインやアメリカのジョナサン・ベンジャミンは、好奇心をもって突き進んでいく「新奇追求性」の性格とドーパミンの受容体の遺伝子の様子との関係を調べました。
ドーパミンの受容体の遺伝子のなかには、アミノ酸配列が繰り返される回数が人によって違っている部分がありますが、アミノ酸配列が繰り返される回数が多いほど、新奇追求性の傾向が強くなることがわかりました。
また、不安に関しては、ドイツのクラウス・ピーター・レッシュらの研究でセロトニンと関わる遺伝子の違いが影響していることがわかりました。
神経の末端から放出されて次の神経の受容体に結びついた脳内物質は、「トランスポーター」とよばれる、いわばリサイクル回収業者のはたらきでもとの神経の末端に取り込まれます。
セロトニンをリサイクルするセロトニン・トランスポーターの一部に、44対の塩基をもつ遺伝子と、それをもたない遺伝子がありますが、
44対の塩基をもたない人はもつ人にくらべて不安で神経質な傾向が強いことが確認されたのです。
しかし、これらのことだけで性格が決まるわけではありません。
これらの遺伝子で説明できるのは、ごく一部でしかないのです。
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