ピアサポート
互いに支え合い、共感的に接するために
ピアサポートは、仲間や同輩(ピア)の援助(サポート)のことです。
生活や仕事で一人ばっちと感じると、自分に自信がもてず、孤立感や不安感、切迫感、焦燥感、疲労感を必要以上に感じたりすることがあります。
そのような場合に、気軽に話ができたり、人の経験を聞くことができたり、自分を理解してもらえたりすると、気分が楽になり、自信を取り戻して本来の活動を行えるようになるかもしれません。
子育て中の母親グループや小学生たちなど、社会的に同等の境遇にある人たちが、お互いを支え合ったり、励まし合ったりして共に支え合う関係をピアサポートといいます。
ピアサポートは、人間関係の中で育まれていくものですが、より力を育てて促進するプログラムを用いて行う援助活動は、ピアサポート活動、あるいはピアサポートプログラムと呼ばれます。
仲間や同輩と日常的な悩みや相談事を気軽に話し合える関係の中で、同じような経験や感情を分かち合い、共感的に相手と接することができることは、メンタルヘルスに大きく影響します。
ふだんから気持ちを分かち合えることで、気持ちにゆとりができ、自分や他者に対して肯定的な態度で接することができるようになり、安定した人づきあいができるといえます。
近年は、移動の増加や核家族化、少子化、地域社会の変化などによって、信頼できる人間関係を築き難く、ピアサポートを受けにくいといわれます。
そこで、思いやりや優しさを育む友だちづくりを目的として、小・中学校でのピアサポート導入が増えています。
育児については、母親学級や子育て支援のグループなど、さまざまな団体や公的施設で育児者が集まる場所が提供され、ピアサポートを受けやすい環境が整えられています。
また、ピアサポートは、教員や相談員など、単独で活動することが多い職業のサポートとしても注目されています。
ピアサポートによって、対人関係能力を意図的、計画的に身につける機会を提供するプログラムが、ピアサポートトレーニングです。
トレーニングを受けてピアサポート活動を実践する人がピアサポーターです。
仲間を思いやる気持ちがあり、援助したいと自ら希望する人がピアサポーターとして参加します。
ピアサポーターは、カウンセリングの技能から基本的な援助の姿勢を学び、構成的エンカウンターやソーシャルスキルトレーニング、ロールプレイなどの体験的なトレーニングから援助技法を学び、リーダーとサポーターでチームを組んで活動します。
ピアサポーターには、建設的な対人関係を築く次のようなスキルが求められます。
第一に、仲間と共に学び、信頼し合って助け合い、協力するスキルです。
ピアサポーターは、相手をよく観察し、注意深く話を聞いて理解し、よいコミュニケーションを築けることが大切です。
第二に、気持ちを適切に表現するスキルです。
気持ちを分かち合うことは、お互いを理解し尊重し合うことに必要なことです。
ピアサポーターは、自分自身の心理状態を理解したうえで相手の気持ちを理解し、適切な気持ちの表現ができるように仲間を援助していきます。
第三に、対立を解決するスキルです。
協調的で信頼できる関係を築けるように、ピアサポーターは揉めごとやケンカに対して創造的にサポートします。
ピアサポート活動のニーズは、年齢や社会的な立場・環境によって異なるので、導入前に適切なプログラムと人的資源を検討することになります。
低年齢の子どもを対象として実践する場合、
子どもは相手の立場を認めたり理解したりする能力が十分に発達していないので、相手を思いやって人間関係をつくることを体験する機会を提供することが目的となります。
ピアサポーターは、カウンセラーと同じように相談内容の秘密を守ることが大切です。
また、多様な相談に対して、適切なサポートを行えるように、経験豊富なカウンセラーや先輩の指導やアドバイスを受けたり、カンファレンスに参加したりすることが大切になります。
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