子育てひろばでの育児相談
ここに来れば話を聴いてもらえると安心感がる
子育てひろばではさまざまな形態で相談が行われています。
(1)非公式の相談
ひろばでのおしゃべりの中で相談を受けることがあります。
身近で相談しやすいという利点があります。
わざわざ改まってどこかよそのところで相談するほどのことでもない「チョット相談」です。
日常的にこのような小さな不安解消の場があることが大きな安心感につながります。
(2)電話相談
電話相談を受け付けている子育てひろばもあります。
情報や他機関の紹介も行われています。
地域の子育て支援の核となる子育てひろばの重要な役割でしょう。
(3)正式な相談
専門の相談員の相談枠を設けているひろばもあります。
改まって時間をとる必要のある相談に対応できます。
話す側、聴く側の双方のために時間と場所の確保が必要です。
他の人の出入りしない守秘義務が守られる部屋の用意が必要です。
(4)グループ相談
同じ悩みをもつ親を集めてグループセッションが行われているひろばもあります。
「オムツはずれ」「きょうだい」「反抗期」などのテーマをあげ、参加者を募りグループで話し合いをします。
「悩んでいるのは私だけ」と親が孤立感をもつことを防ぎ、他者の話から子育てのヒントを得ることもあります。
他者の話を聴き、自分の話を聴いてもらうピアカウンセリングの機能をもちます。
以上のように形態は多様ですが、相談を受ける時の基本はまったく同じです。
傾聴、守秘義務、受容、共感など、カウンセリングの分野から多くを学ぶことができるでしょう。
しかし子育てひろばならではの特徴もあります。
最も注意すべきは、子育てひろばは相談の専門機関ではないということです。
全ての相談を抱え込むわけにはいきません。
日ごろから専門機関との連携を心がけ、相談の最初の窓口となることが大事な役割です。
まずは相談しやすい環境づくりが必要となります。
日ごろから、温かい雰囲気を心がけ、声をかけたり、声をかけてもらいやすいように工夫することが大切です。
多くの子育てひろばは、不特定多数の人が不定期に利用するところです。
初めて会う親からの相談、ふだんの様子や家族関係・友人関係のわからない中での相談、次回はいつ来てくれるかの約束のない中での相談となることもあります。
1回の相談で解決しようとアドバイスを急ぐのではなく、相手の話にじっくりと耳を傾け、ここに来れば話を聴いてもらえる、と安心感をもってもらえることが大切でしょう。
また子育てひろばには、親と子のどちらかを相手にするのではなく、親子を一緒に相手にするという特徴もあります。
子どもだけを相手にすることは、保育者の得意とするところですし多くの保育者が、親のいるところで子どもにかかわるのはたいへん難しいと言います。
おもちゃの取り合い、食事、おむつはずれ、子どもの生活のあらゆることが子どもの育ちにつながることを知っている保育者にとって、親たちの悩みは見当違いに思えたり、時として子どもの育ちを阻害しているように思えるかもしれません。
親に批判的、指導的になってしまうこともあるかもしれません。
保育者は多くの経験と正しい知識をもっていて、親子を支援したいと思っていますから、まだ子育てに不慣れな母親に「こうしたらよい」「こうしてはダメ」と多くのことを教えてあげたくなるかもしれません。
しかし、それは「相談」ではなく「指導」となってしまいます。
正しいことがわかっていても実行できない日常の中で、罪悪感、無力感を抱いている親もいます。
頼りがいのある保育者に依存的になり、何もかも相談する親もいるでしょう。
このような場合、細かな対応が親子の育ちを邪魔することにもなります。
親自身の力を奪わず、育児のパートナーとなることが必要です。
育児というのは、他人がやっている時には「もっとこうしたらいいのに」と、よく欠点が見えるものでもあります。
親子を外から見て批判するのではなく、親子のパートナーとなり、何がたいへんなのか、どこが楽しいのか教えてもらうようなつもりで耳を傾けてくれる相談者、親子の歩みにそっと寄り添ってつきあってくれる相談者が、子育て支援施設には必要でしょう。
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