園の中のひろばのメリット、デメリット
専任スタッフと専用の場所が必要
近年、多くの保育所や幼稚園が、末就園児とその保護者に対する子育て支援のために、園庭開放、園行事の開放、育児相談、体験保育などを実施するようになってきました。
末就園児とその保護者を支援するために、専用の場所や専念する人材を用意することなく、在園児を保育する傍らで行う園がほとんどです。
そのため、通常保育にしわ寄せが生じたり、利用する母親も利用のしにくさを感じたりしているようです。
たとえば、園庭開放を実施する日は、未就園児とその保護者が大勢来て園庭で遊ぶため、園庭が広くない園では、在園児、中でも幼児は園庭に出ることができず、公園や遊歩道などに出かけるようです。
保育室を開放する日も、余った部屋がない園では、在園児は散歩に出るなどして、やりくりをしているようです。
また、子育て支援の担当には、その年度のフリー保育士、主任、園長などがあたるところが多いようです。
しかし、日によって担当者は在園児の保育に入らなければならなかったり、急を要する事務作業が山積したりしていると、子どもを園庭で遊ばせている保護者の方に声をかけることができません。
在園児の保育をしながらの子育て支援では、物理的空間と支援スタッフの人材との両面で、かなり無理があり、気持ちはあっても実際に適切な対応が難しいのが現状です。
そこで、日常保育の片手間ではなく、専任スタッフと専用の場所を備えた「園の中のひろば」(保育所併設型地域子育て支援事業)の必要性が高まっています。
子育て支援専用のセンターと通常保育の傍らでの支援との中間的な施設といえるでしょう。
開所日や利用時間は施設によって異なりますが、後者の場合よりも長く、前者よりも短いか、ほぼ同様な場合とがあります。
この「ひろば」には、利用者の方だけのための部屋が用意されていることが多いのですが、園児と一緒にホールなどを使用する園もあります。
ほとんどの園で、園庭は園児と一緒に利用しています。
しかし、専任スタッフが常駐していることはたいへん大きなメリットです。
もちろん、利用者が0歳児を抱えている場合は、清潔な室内で子どもを遊ばせたいと考えていますので、専用のスペースは必要です。
しかし、場所が提供されればそれでよいというわけではありません。
乳児とだけ一日中向き合っている母親は、大人と話す機会がなく、かなりストレスがたまっています。
対等に大人と話がしたい、話を聞いてもらいたいと強く思っています。
同じように子どもを連れた母親や支援スタッフとゆっくり話すことで、気持ちがほぐれ心が安らざます。
園の中のひろばのメリット
園の中のひろばのメリットについて考えてみましょう。
常に園児がいることによるメリットはとても大きいものです。
子どもの発達や育児の仕方についてただ話を聞くだけではなく、
実際に園児の様子や園児に対する保育者のかかわりを見られることで、乳幼児をもつ保護者の不安は軽減し、乳幼児に対する理解も得られます。
特に保育所では、0歳児から在園していることが多いので、保護者の子育ての負担感と不安が一番大きい時期に、実際に乳児の様子を見て、保育者から具体的な話を聞くことができることは、とても効果的な子育て支援となります。
0歳児は、発達の速度が著しいだけでなく、個人差も大きいので、第一子で0歳児を育てる保護者の戸惑いや不安は大きいものです。
・離乳食を始める時期やその進め方、
・離乳食の調理の仕方や食べさせ方、
・アレルギー体質に対する対応の仕方、
・乳児の健康と安全、乳児との非言語的なコミュニケーションの取り方
などについて、先の見えない不安を抱えています。
保育者からだけではなく、栄養士、看護師、保健師などからも適切なアドバイスを得ることができれば、保護者の不安は軽減することでしょう。
さらに、保育体験を実施している園では、0〜3歳の未就園児がその子どもの年齢に該当するクラスに保護者と共に入り、半日程度の保育体験ができることもたいへん魅力的です。
同じ年齢でも発達の速い子どもとゆっくりの子どもがいること、
食事についても量や食べるスピードなどが子どもによって異なること、
子どもが興味や関心をもつ遊びや子ども同士のかかわり
などについて、体験し観察することを通して、母親自身が気づくことができます。
加えて、保育所や幼稚園は施設数が多く、自宅から近いことが二番目のメリットでしょう。
乳幼児を抱える母親には、支援施設が近いことも利用しやすいことです。
園の中のひろばのデメリット
次に、デメリットについて考えてみましょう。
保育所や幼稚園は、基本的には在園児のための施設ですから、園児とその保護者がいることで、遠慮や気兼ねをしながら利用することもあるでしょう。
支援専用施設のように、利用者が自分たちの場ととらえて主体的に活動することは難しく、むしろ、お客さん的な存在にならざるを得ない場合が多いのではないでしょうか。
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