しつけと虐待、虐待防止法について
虐待を早期に発見し、子どもを援助していく
児童虐待とは、親または親に代わる保護者による子どもの人権を侵害する行為であって、反復される行為ですが、性的虐待に限っては一度限りの行為でも虐待とみなされます。
また、虐待をする者の故意の有無は関係しません。
したがって、何をもって虐待とするかは、子どもの視点から見て判断されます。
ある行為を親はしつけと認識していても、子どもにとっては虐待であり、著しい人権侵害である場合があります。
虐待は、身体的虐待、心理的虐待、性的虐待、放任の4種類に分類されます。
中でも身体的虐待は、単なるしつけだと親が主張することがあります。
たとえば、子どもが親の指示に従わない場合、子どもが悪くわがままであると一方的に決めつけ、罰を与えなければ子どもはますます悪くなるからと、子どもの身体が傷つくような叱り方をする場合があります。
骨折や打撲傷になるほどたたいたり蹴ったり、体調不良になるほど長時間戸外に出したり食事を抜いたりといった叱り方をし、一度限りでなく、日常的に繰り返されるような場合です。
親は、子どもがかわいいから厳しくしつけていると主張するかもしれません。
しかし、子どもが身体的苦痛や生命の危険にさらされ、親に対して著しい恐怖心を抱き、心的外傷を被っているなら、これは明らかに虐待です。
児童相談所で、児童虐待の相談受理件数について統計を取り始めた1990年度には1,011件でしたが、年々増加し続け、2004年度には32,979件、約32倍に増加しました。
これは、通報された数ですから、氷山の一角に過ぎず、実際にはこの何倍もの虐待事例があることが推測されます。
2000年11月に児童虐待防止法が施行され、2004年4月に同法が改正されました。
いくつかの点が改正されましたが、国民の通告義務の対象に関しては、「児童虐待を受けた児童」から「児童虐待を受けていると思われる児童」に拡大されました。
もしその通告が誤りであったとしても、責任を問われることはありません。
したがって、児童相談所や福祉事務所への通告は今後一層増加することが予想されます。
被虐待児の年齢を見ますと、就学前の乳幼児が1/3〜1/2を占めていますので、保育所や幼稚園は虐待事例に遭遇しやすい場です。
特に保育所は、乳幼児が1日の大半を過ごす場ですから、早期発見が可能でしょう。
「保育所保育指針」の第12章、第13章にも虐待などへの対応として、虐待の早期発見、通告、援助などについての保育者の役割が記されています。
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