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障害のある子の子育て
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園をいやがる子
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幼稚園に通う
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保育園に預ける
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ピアサポート
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様々な機関での育児に関する個人相談・相談形態
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子育てひろばでの育児相談
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子育て支援、青少年教育に大きな役割を果たす電話相談
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園での日常的な相談
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園による育児・子育ての相談
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保育者のアドバイス
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園ができること
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園の中のひろばのメリット、デメリット
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しつけと虐待、虐待防止法について
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虐待を受けている乳幼児の12つの特徴、虐待を行っている保護者の3つの特徴
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子育て支援のための機関をおおいに活用しよう
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障害のある子の子育て
障害のある子を育てるのは、その程度によってたいへんにはちがいありませんが、
将来の見通しについてはあまり悲観的に考えないで、親がその子とともに積極的に開拓してゆくようにかまえてほしいと思います。
考えすぎると、普通の子を育てるときにもあるたいへんさまでも、障害のせいにしてつらさを増してしまいがちです。
特別の子だからと世話に力を入れすぎるのも、無用のくたびれを招くもとです。
そもそも、異常はその子のすべてではないし、それが生きるうえにどれほど障害になろうとも、一個の人間としての生涯はすでに始まっているのです。
しかも、その人間は、ほかならぬ自分たちがこの世にもたらしたひと。
これは、なにごともなかった子とまったく同じことでしょう。
とすれば、とにかく子育ては着手されなければなりません。
むしろ、あるがままのわが子を、そういう子としてたんたんと育てていれば、障害があることについても、しだいに度胸がすわってもきそうです。
そうなれば、障害児を育てるのは、世間で考えるほどたいへんではないといえるようになってくるかもしれません。
そのとき親は、人間として大きく成長していることでしょう。
そこまでなるのには時間がかかるでしょうが、じっさいにたくさんの先輩がいるのですから、いろいろなことを学んでほしいと思います。
もし近くにそういう人がいなければ、下記の団体にたずねれば、相談に乗ってくれますし、適当な人も紹介してくれるはずです。
社会に育ててもらう
どうして自分たちだけがと嘆いたところでどうにかなるものでもありません。
そうした子どもだからこそ、むしろ世間に突きだして、いっしょに育ててもらうようにすべきです。
それにしても、障害児を育てるにあたっては、多くのひとの直接の協力が必要です。
とりわけ夫婦が力を合わせることは不可欠。
母親だけが背負ったのでは、身も心ももちにくいでしょう。
夫婦だけではやりきれないことは、親戚はもちろん、友人、知人、近所のひとたちに、遠慮なく助けを求めるのがよいと思います。
だれだってピンチにはひとの助けが必要なのだし、とくに障害のある子は多くのひとたちに知られ、その中で育つことによって世間で生きられるようになるからです。
きょうだいがいる場合には、できるだけ手伝ってもらうべきですが、けんかやわがままは、普通のきょうだいのようにやらせておくべきでしょう。
障害のある子の犠牲にしたのでは、両者とも明るく育ちそうにありません。
このほか、たいへんさをしのぐためには、家事をうんと簡素化することも必要なのではないでしょうか。
すべてをきちんとやろうとしてダウンしてしまったのでは、もとも子もなくなります。
家事は少々の手抜きをしたところでなんとかなるし、すぐその生活様式に慣れてもくるはず。
いまは、こまかいことにこだわらないおおらかさが求められているのです。
普通に育てる
障害児を育てるにあたっては、障害にばかり気をつかうのでなく、その子を全体として育ててゆくことが大切です。
障害はその子のすべてではないし、その子は障害をかかえながらも人間として成長しなければならないのです。
障害を不欄に思って、大切に育てすぎれば、世の中で生きてゆく力がつきません。
少々のからだの不自由があっても、できるだけ自分のことや家事はやらせ、友だちとも遊ばせたほうが積極的になります。
知恵おくれだって、家に閉じこめないでいれば、いろいろなことを覚え、ひととのつき合いかたも上手になるはず。
視覚障害も、いつも手を引くばかりしないで、ひとりで壁などを伝って歩かせたり、広い所では走らせたりすれば、大胆に外にでてゆけるようになるでしょう。
聴覚障害も、大勢の友だちと遊ばせていれば、ひとりでにさまざまのことばを聞き分けるようになってくるものです。
寝たきりの子にしたところで、窓を開け、乳母車や車椅子で外にだし、太陽や風にあて、多くのおとなや子どもと接しさせれば、表情もからだの動きも生き生きとしてきます。
こうしたことは、考えてみればあたりまえの話で、
動きや感覚にしろ、知恵にしろ、ことばにしろ、まわりの自然や社会と接することによって育てられてくるのです。
この事情は普通の子とまったく変わりありません。
ただ、普通の子を含めて、子どもによって、育ちかたのちがいと早いおそいがあるだけです。
とすれば、障害児の育てかたも、普通と同じを原則にしなければなりません。
特別扱いして、訓練にばかり時間を費やしていたら、かんじんの自然や社会と接する機会を減らし、人間としての成長を妨げてしまうでしょう。
ですから、しつけにしても、障害児だからといって手心を加えないように。
なんでもしたいようにさせるのはまちがいです。
叱るべきときは、たとえけいれんのある子でも、断固として叱らなければなりません。
そのかわり、子どもが困難を克服してなにかをなしとげたときには、いっしょに喜んでやってください。
そして失敗したときには、アーアといっしょに悲しんでやるのです。
世間との関係では、とにかくかくさない、恥ずかしがらないのがかんじんです。
堂々と外にだし、チャンスを見て障害のようすを話してしまったほうが、ぐっと気が楽になるはず。
また、そうしてこそ、成長にとって大切な自然や社会との接触も豊富にできるのです。
子どもが大きくなって、奇形やからだの不自由さなどについて気にしだしたら、そんなことは人間の価値をきめるものではない、
いろいろなひとがいるのだから、かくさず恥ずかしがらず振る舞うように話してやってください。
だいいち、親が不憫に思うほど子ども自身は深刻ではないのではないでしょうか。
なのに、親があまり悲憤なようすを見せると、かえってしょげてよくないと思います。
カテゴリー:子育て支援
園をいやがる子
まず子どものいいぶんを聞いてやる
はじめはよろこんで保育園や幼稚園に通っていた子どもが、あるときから急にいやがりだすことがあります。
親としては心配やら、いらだたしいやらで、思わず「首になわをつけてでも連れてゆく」という気持ちになったりしますが、
そういう場合は、さり気なく子どものいいぶんを聞いてやり、まず園の先生とじっくり相談することです。
というのは、「登園拒否」をするのは園になにか原因があると考えられるからです。
とすれば、園の側に子どもにとって重荷になるものをなくしてもらうことが先決。
クラスの友だちや先生との相性もあるでしょうし、疲れとか慣れが関係して行きたくないときもあるでしょう。
保育のしかた、食事やひるねのとりかたがいやだということにでもなれば、事態は深刻。
だんぜん「拒否」したくなる気持ちはよくわかります。
園にしてみれば、課業とか保育のしかたに問題があるとは考えたくはないのでしょう。
家庭での育てかたや子どものほうに問題があるようにいわれることもないとはいえません。
そんなときはもちろん反省もしてみなければなりませんが、どう考えても園のほうに問題があるようなら、遠慮をしないで希望をいうべきです。
そして、子どものいいぶんを聞いても、園と相談をしても、どうしても原因がわからないときは、しばらく待ってみることです。
すると、たいていの子どもがふっと園に行くといいだすもの。
なんとなくということもあるし、家にいるより園に行ったほうがましと判断したようにみえることもあります。
いずれにしても、自分できめたことですから、もうあまりぐじぐじすることはなくなるでしょう。
それでもなお行きたがらないとすれば、よほどの理由があると考えなければなりません。
まして、その理由がよくわかり、親が懸命に園と話し合ってもどうにもならないとなれば、最終的にはよその園にかわるか、やめるのもやむをえないかと思います。
園はそんなに無理をしていかなければならないところではありません。
カテゴリー:子育て支援
幼稚園に通う
遊びの場として考えよう
幼稚園に対してはあまり大きくかまえないほうがいいようです。
しつけをしてもらおうとか、なにかを学ばせようとかすると、それが子どもに伝わってコチンコチンにさせてしまいがちです。
それよりもむしろ、幼稚園は遊びの場として考えるのがよいのではないでしょうか。
この年齢の子どもにとって、大勢の子どもといっしょにいることは、それだけですごく心おどることなのでしょう。
たとえひとり遊んでいても、ほかの子の存在がたえず気になるし、ちょっとでもチャンスがあればすぐに集まって遊びを広げ、関心がそれたりけんかで別れてもまた離合集散を繰り返します。
みんなでなにかをすることは、調子に乗った子にとっては、おもしろさも成果も倍増するにちがいありません。
一方、それをはずれた子はいい知れぬ疎外や孤高の感情をかみしめることになるでしょう。
いずれにしても、親からはえられなかった緊張した場面です。
そうしたなかで、子どもは自分を含めた人間、もろもろの事物への認識とかかわりを深めてゆくのでしょう。
幼稚園に行きだしたからといって、すべてを園中心にすることはありません。
子どもの育ちは、むしろ、家での暮らしや近隣でのつきあいや遊びで受ける影響のほうが大きいのです。
ですから、たとえ園の方針とちがうことがあっても、親は自分の信じる教育をつらぬくべきだし、その家庭なりの生活は守られてよいと思います。
園を学校の予備校にするのではなく、そうした生活を広める媒介として大切にしてほしいと思います。
園が終わってからの近所での自由な遊び、とくに友だちとの遊びは子どもが求めますし、いかにも楽しそう。
夏など長い休みもあることですから、仲良く遊べる友だちができるように親も協力してやってください。
そのためには、親どうしのつき合いがとっても大切。
親は親で気心の知れる友をつくり、子どもが仲良くなったら親もざっくばらんにつき合うようにしたいものです。
送り迎えにしても、初めのうちは親がついていくのもしかたありませんが、慣れてきたら、子どもだけで通わせるとか、親が交代で面倒をみるようにしたらどうでしょう。
幼稚園の選び方
とにかく近いのがいちばん。
遠いと、通うのがたいへんなこともありますが、それよりも、せっかく園でできた友だちと家に帰ってから遊ぶことができないのが難点です。
つぎに、ぎょうぎとかカリキュラムが厳しいところは敬遠したほうがよさそう。
じっさいに親子で見に行って、園児たちが、いきいきと、好きなことをして遊んでいるところがいいと思います。
それでいて乱れた感じがなければ最高でしょう。
それから、当の子どもとその園との相性もあるでしょう。
保育のしかた、先生、子どもたち、これら全体のかもしだす雰囲気が、うちの子にぴったりとか、まあまあとか、どうも合いそうにないといった感じは意外に大切です。
親にしても、園や親たちとの相性がよくなければ、なにかとやりにくいことが多くなるのではないでしょうか。
こうした懸念を確かめるためには、とにかく親子して候補にあがった園を見に行くのがいちばん。
そのさいは、一度だけでなく二〜三度みてまわれば、さらによくわかるでしょう。
自主保育について
子どもを幼稚園などにやるのではなく、親たちが呼びかけあってグループをつくり保育をする「自主保育」というやり方があります。
保育を専門家に預けるのではなく、自分たちの手でしようとするところに意義があります。
現にあちこちでそうしたグループが生まれ、それなりの成果をあげています。
ただ、じっさいにつくっていく過程では、施設の問題や専門家をどうするか、費用の面などさまざまな難問があることは事実です。
でも、そうした難問をひとつずつクリアしていけば、幼稚園などでは得がたいすぐれた保育を生み出す可能性を秘めています。
グループをつくるにあたっては、身近の知り合いから少しずつふやしていくのがよいでしょう。
10人以内か、せめて20人までにとどめたほうがよさそう。
いきなり不特定多数のひとを集めると、とりきめごとばかり多くなって、自主保育の聞達さが失われてしまうかもしれません。
また、自分では努力しないで、既成のグループに入れてもらって要領よく恩恵にあずかろうとするのは、自主保育のよさをこわすことになってしまいます。
グループの運営も、できるだけ形式的にしないで、親しい友だちか近所どうしみたいな関係にしたほうがよいと思います。
子どもを「保育する」といった感じが抜けて、家族ぐるみつき合うようにでもなれば最高でしょう。
カテゴリー:子育て支援
保育園に預ける
常勤にしろ、パートにしろ、あるいはフリーにしろ、両親がともにまとまった時間を外で働くばあいは、子どもをどこかに預けなければなりません。
それが保育園なら、それまでの親と子の関係は新たな段階に入ってくることになります。
仕事に向かわなければならないおとなと、園で過ごすことになる子どもは、もはや「親子」という縦のつながりをこえて、ひとつの共同生活者になっているはず。
「かわいそう」ではなく、「お互いにしっかりやろうよ」といった感じで対すれば、相手だってけっこう頼もしく応じるはずです。
親子の関係がそういうものになっていれば、預けることによって愛情に飢えるといったこともないのでは。
もし子どもの心に危機をもたらすことがあるとすれば、それは親の都合だけで子どもを預け、その人格への配慮が抜け落ちているからにちがいありません。
園とのかかわりにおいても、同様の事情が大いに考えられなければなりません。
親は預けるだけ、園は預かるだけでは、子どもはまるで品物のよう。
子どもは、その冷たいはざまで心を痛めてしまいそうです。
前夜の病気を伏せて登園させたり、保育中のけがを内証にして帰したりしたために起きた事故は、それが防ぎうるものだけにやりきれません。
この点で、たがいがなんでもいえる関係になることが不可欠だと思います。
とりわけ病気のときなどは、もし「休ませる基準」に不服や意見があれば申し出て、保母さんとともに検討し直していいこと。
がんばって意見をいう勇気をもってほしいと思います。
親同士が、新米も先輩もいっしょになってグループをつくれば、心強いし、なにかのときの助けにもなるかと思います。
どうしても休まなければならない病気や、保母さんたちのストのときなど、夫婦だけでなく仲間とのあいだでやりくりできれば、犠牲は少なくできるのでは。
育児の理念とか、食事や衣服など、こまかい世話のしかたで食い違いがあっても、それ自体はまあ大したことにならないでしょうが、
その間に、批判やそれを聞く耳を欠いた場合には、ひとりよがりが高じて、子どもをつらい目に追い込まないともかぎりません。
要領のよい、あるいはお金だけの「お願いします」では、自分の労働への問いかけはないし、わが子への責任を果たしえないことになるでしょう。
カテゴリー:子育て支援
ピアサポート
互いに支え合い、共感的に接するために
ピアサポートは、仲間や同輩(ピア)の援助(サポート)のことです。
生活や仕事で一人ばっちと感じると、自分に自信がもてず、孤立感や不安感、切迫感、焦燥感、疲労感を必要以上に感じたりすることがあります。
そのような場合に、気軽に話ができたり、人の経験を聞くことができたり、自分を理解してもらえたりすると、気分が楽になり、自信を取り戻して本来の活動を行えるようになるかもしれません。
子育て中の母親グループや小学生たちなど、社会的に同等の境遇にある人たちが、お互いを支え合ったり、励まし合ったりして共に支え合う関係をピアサポートといいます。
ピアサポートは、人間関係の中で育まれていくものですが、より力を育てて促進するプログラムを用いて行う援助活動は、ピアサポート活動、あるいはピアサポートプログラムと呼ばれます。
仲間や同輩と日常的な悩みや相談事を気軽に話し合える関係の中で、同じような経験や感情を分かち合い、共感的に相手と接することができることは、メンタルヘルスに大きく影響します。
ふだんから気持ちを分かち合えることで、気持ちにゆとりができ、自分や他者に対して肯定的な態度で接することができるようになり、安定した人づきあいができるといえます。
近年は、移動の増加や核家族化、少子化、地域社会の変化などによって、信頼できる人間関係を築き難く、ピアサポートを受けにくいといわれます。
そこで、思いやりや優しさを育む友だちづくりを目的として、小・中学校でのピアサポート導入が増えています。
育児については、母親学級や子育て支援のグループなど、さまざまな団体や公的施設で育児者が集まる場所が提供され、ピアサポートを受けやすい環境が整えられています。
また、ピアサポートは、教員や相談員など、単独で活動することが多い職業のサポートとしても注目されています。
ピアサポートによって、対人関係能力を意図的、計画的に身につける機会を提供するプログラムが、ピアサポートトレーニングです。
トレーニングを受けてピアサポート活動を実践する人がピアサポーターです。
仲間を思いやる気持ちがあり、援助したいと自ら希望する人がピアサポーターとして参加します。
ピアサポーターは、カウンセリングの技能から基本的な援助の姿勢を学び、構成的エンカウンターやソーシャルスキルトレーニング、ロールプレイなどの体験的なトレーニングから援助技法を学び、リーダーとサポーターでチームを組んで活動します。
ピアサポーターには、建設的な対人関係を築く次のようなスキルが求められます。
第一に、仲間と共に学び、信頼し合って助け合い、協力するスキルです。
ピアサポーターは、相手をよく観察し、注意深く話を聞いて理解し、よいコミュニケーションを築けることが大切です。
第二に、気持ちを適切に表現するスキルです。
気持ちを分かち合うことは、お互いを理解し尊重し合うことに必要なことです。
ピアサポーターは、自分自身の心理状態を理解したうえで相手の気持ちを理解し、適切な気持ちの表現ができるように仲間を援助していきます。
第三に、対立を解決するスキルです。
協調的で信頼できる関係を築けるように、ピアサポーターは揉めごとやケンカに対して創造的にサポートします。
ピアサポート活動のニーズは、年齢や社会的な立場・環境によって異なるので、導入前に適切なプログラムと人的資源を検討することになります。
低年齢の子どもを対象として実践する場合、
子どもは相手の立場を認めたり理解したりする能力が十分に発達していないので、相手を思いやって人間関係をつくることを体験する機会を提供することが目的となります。
ピアサポーターは、カウンセラーと同じように相談内容の秘密を守ることが大切です。
また、多様な相談に対して、適切なサポートを行えるように、経験豊富なカウンセラーや先輩の指導やアドバイスを受けたり、カンファレンスに参加したりすることが大切になります。
カテゴリー:子育て支援
様々な機関での育児に関する個人相談・相談形態
できるだけ時間枠を設ける方がよい
保育所や幼稚園では、園児の保護者からの相談は、子どもの送迎時に立ち話的になされることが多いようです。
立ち話ですむような相談もありますが、話を聞いている問に、他の保護者に話の内容が聞こえない場所でゆっくり話を聴いた方がよいと感じることもあるでしょう。
あるいは、保護者から相談したいことがあるので時間を取ってほしいと依頼され、予め時間を決めて相談を受けることもあるでしょう。
心理相談を専門とする相談機関においては、カウンセラーが行う面接相談は予約制をとっています。
1回の面接相談は50分程度と時間枠を決めて行います。
場所も来談者のプライバシーが守れるよう個室で行います。
カウンセラーと来談者の座る場所も面接相談においては重要です。
このように心理臨床の専門家が行う面接相談は、時間、空間の枠を設定し、場面を構造化して行うことが多いようです。
保護者が子どものことを相談する場合、保護者だけで相談に行くこともあれば、子どもを連れて行くこともあります。
子どもの年齢や状況にもよりますが、面接相談を親子一緒で行う場合と、子どもと保護者を別にしてそれぞれに担当者をつけ、並行して面接相談をする場合(並行面接)とがあります。
そして、初回の面接相談では、個人相談の形態をとりますが、相談内容によっては、2、3回目以降は類似の問題を抱える人たちを一緒にしてグループ面接を行うこともあります。
保育者が保護者からの相談を受ける場合にも、できるだけ時間枠を設ける方がよいでしょう。
保護者が話を始める前に「今日は何時頃までなら大丈夫ですよ」とあらかじめ終りの時間をやわらかく提示しておかれるとよいでしょう。
あらかじめ言えない状況では、「今日はこれから、○○の用がありますので、また日を改めてお話ししましょうね」など、話が一段落したところで、いったん終りにすることが大切です。
保護者の中には、2時間でも3時間でも話をしたいという人がいるからです。
ある程度の時間枠を設けることで、今日いちばん話したいことは何かを保護者に考えてもらうことを助けます。
長時間の相談では、かえって焦点が暖味になるかもしれません。
また、お互いに心身共に疲れてしまい、保護者の話に注意を集中して聴き続けることが難しく、継続して相談を受けることをも難しくしてしまいます。
保護者のプライバシーを守るということについては、保育所や幼稚園では、保育者と保護者が二人だけで話ができる場所がないという園が少なくないかもしれません。
立ち話では適切ではないと感じて、保護者を事務所や職員室などに招き入れても、話し声が聞こえる距離で他の職員が仕事をしていることもあります。
ですから、なんとなく保護者の話を聞いてしまう保育者もいることでしょう。
そのような場合にも、子どもに生命の危険が伴う虐待などを除いて、外部には口外しないなどの注意が保育者には必要です。
あらかじめ時間を決めて保護者の個人相談を受ける場合、保護者がゆっくり話せるように、なるべく二人だけになれる場所を確保できる曜日や時間帯を選ぶことも必要でしょう。
しかし、保育者はカウンセリングのプロではありませんので、保護者と二人だけの個室で、重たい話を聴くのは責任が垂すぎると感じることもあるでしょう。
他の保育者が同席していてくれた方が、気持ちが楽になるという場合もあるでしょう。
園長や主任が保護者の同意を得て、同席する方がよい場合もあるでしょう。
また、保護者の中にも、二人だけでの面接相談よりも複数の保育者がいる方が話しやすいという人もいるでしょう。
保護者の性格や相談内容によって、どのような相談形態がふさわしいのか、保護者の意向も聞きながら、選択されるとよいのではないでしょうか。
カテゴリー:子育て支援
子育てひろばでの育児相談
ここに来れば話を聴いてもらえると安心感がる
子育てひろばではさまざまな形態で相談が行われています。
(1)非公式の相談
ひろばでのおしゃべりの中で相談を受けることがあります。
身近で相談しやすいという利点があります。
わざわざ改まってどこかよそのところで相談するほどのことでもない「チョット相談」です。
日常的にこのような小さな不安解消の場があることが大きな安心感につながります。
(2)電話相談
電話相談を受け付けている子育てひろばもあります。
情報や他機関の紹介も行われています。
地域の子育て支援の核となる子育てひろばの重要な役割でしょう。
(3)正式な相談
専門の相談員の相談枠を設けているひろばもあります。
改まって時間をとる必要のある相談に対応できます。
話す側、聴く側の双方のために時間と場所の確保が必要です。
他の人の出入りしない守秘義務が守られる部屋の用意が必要です。
(4)グループ相談
同じ悩みをもつ親を集めてグループセッションが行われているひろばもあります。
「オムツはずれ」「きょうだい」「反抗期」などのテーマをあげ、参加者を募りグループで話し合いをします。
「悩んでいるのは私だけ」と親が孤立感をもつことを防ぎ、他者の話から子育てのヒントを得ることもあります。
他者の話を聴き、自分の話を聴いてもらうピアカウンセリングの機能をもちます。
以上のように形態は多様ですが、相談を受ける時の基本はまったく同じです。
傾聴、守秘義務、受容、共感など、カウンセリングの分野から多くを学ぶことができるでしょう。
しかし子育てひろばならではの特徴もあります。
最も注意すべきは、子育てひろばは相談の専門機関ではないということです。
全ての相談を抱え込むわけにはいきません。
日ごろから専門機関との連携を心がけ、相談の最初の窓口となることが大事な役割です。
まずは相談しやすい環境づくりが必要となります。
日ごろから、温かい雰囲気を心がけ、声をかけたり、声をかけてもらいやすいように工夫することが大切です。
多くの子育てひろばは、不特定多数の人が不定期に利用するところです。
初めて会う親からの相談、ふだんの様子や家族関係・友人関係のわからない中での相談、次回はいつ来てくれるかの約束のない中での相談となることもあります。
1回の相談で解決しようとアドバイスを急ぐのではなく、相手の話にじっくりと耳を傾け、ここに来れば話を聴いてもらえる、と安心感をもってもらえることが大切でしょう。
また子育てひろばには、親と子のどちらかを相手にするのではなく、親子を一緒に相手にするという特徴もあります。
子どもだけを相手にすることは、保育者の得意とするところですし多くの保育者が、親のいるところで子どもにかかわるのはたいへん難しいと言います。
おもちゃの取り合い、食事、おむつはずれ、子どもの生活のあらゆることが子どもの育ちにつながることを知っている保育者にとって、親たちの悩みは見当違いに思えたり、時として子どもの育ちを阻害しているように思えるかもしれません。
親に批判的、指導的になってしまうこともあるかもしれません。
保育者は多くの経験と正しい知識をもっていて、親子を支援したいと思っていますから、まだ子育てに不慣れな母親に「こうしたらよい」「こうしてはダメ」と多くのことを教えてあげたくなるかもしれません。
しかし、それは「相談」ではなく「指導」となってしまいます。
正しいことがわかっていても実行できない日常の中で、罪悪感、無力感を抱いている親もいます。
頼りがいのある保育者に依存的になり、何もかも相談する親もいるでしょう。
このような場合、細かな対応が親子の育ちを邪魔することにもなります。
親自身の力を奪わず、育児のパートナーとなることが必要です。
育児というのは、他人がやっている時には「もっとこうしたらいいのに」と、よく欠点が見えるものでもあります。
親子を外から見て批判するのではなく、親子のパートナーとなり、何がたいへんなのか、どこが楽しいのか教えてもらうようなつもりで耳を傾けてくれる相談者、親子の歩みにそっと寄り添ってつきあってくれる相談者が、子育て支援施設には必要でしょう。
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子育て支援、青少年教育に大きな役割を果たす電話相談
電話相談とは 我が国の「相談」という分野で、電話相談として知られているものに「いのちの電話」があります。
1971年東京に開設されたこの電話相談は、イギリスで1953年「自殺予防」を目的に始められた「電話相談」がモデルとなりました。
日本各地には訓練を受けたボランティアたちが、必要とする人たちの相談にあずかっています。
当初、いのちの電話の深夜待機には緊急時の援助(危機介入)があったといいます。
今では私たちの身近に、種々の電話相談の機関が生まれています。
保健所や教育相談室、また最近では家庭支援センターのようにごく身近な所、青少年対象のヤングテレホンや人権・法律相談のように専門的な相談機関にも電話相談窓口が設けられています。
電話相談の特性
相談を求める人(コーラー/caller)たちにとって電話相談は、いつ、どこからでも、誰でも、簡単に、面談が苦手の人や外出が困難な人でも匿名で直ぐ利用できる利便性があります。
相談援助がたとえ一過性であっても、利用者にとってその目的にかなう心理的ケアができるのも電話相談がもつ特性です。
地域資源として 私たちの住む近隣にある保育園・幼椎園でも地域の子育て支援や教育センターとしての役割を担っている昨今では、
地域住民のために日常の子育ての戸惑いにも相談ができるよう門戸を開いています。
若い親たちに安心して育児が営めるようにとの配慮は、虐待防止への一助にもなっています。
そのためには、各種専門機関が地域資源の情報を集め、ネットワークと活用できる体制をっくっていくことが必要です。
相談を求める人のために
相談者の年齢、対象はそれぞれに異なりますが、その目的を、
(1)孤独や不安な気拝に取りあえずの安堵を得ること、
(2)気拝を整理し当面の生きる希望を得ること、
(3)情報・社会資源の提供、に集約されるといっています。
従来、ボランティアが電話相談の担い手であることが多いのですが、相談員の研修は必須と考えます。
「顔も見えず」「声と息づかいからその背景を理解する」という力量には、「よい聴き手」になることが先決です。
問題を解決することではなく、
「今を支えること」、気持ちや葛藤の整理と「周囲の人との関係をつなぐこと」、相手の相談に謙虚にのぞみ「共に育つこと」です。
電話相談をさらに充実した援助とするために、必要な機関へつなげるのも電話相談の大きな役割です。
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園での日常的な相談
保育の場は園児にとって毎日の生活の場です。
大勢の子どもが保育者とふれながら、その発達を促す環境や保育が準備され、その中で育っていきます。
子どもは日々変化していき、その時々の判断や対応、即決即断が求められることも多いでしょう。
家庭にあってもすぐに判断し、対応しなければならないことが多いのが子育てです。
人から聞いていればなんでもないことでも、一人で対応しているとちょっとしたことでも不安のもとになります。
こんな時、先輩や同じような経験をした人の話が役に立つことがあります。
保護者同士の経験や対応策を聞いておくことが参考になったり、経験豊かな保育者の一言がとてもありがたいことがあります。
相談と構えなくても、日常のふれあい、朝夕の立ち話から助けられることもあるでしょう。
保育者は日常的な保護者との対話を大切にしたいものです。
園での日常的な相談は、トイレットトレーニングや食事など生活習慣に関すること、しつけや体のこと、乱暴だとか友だちとの遊びなど行動に関することが多いようですが、どのように対応しているでしょうか。
子どもの園での様子から判断してヒントになりそうなことを伝えることが多いのではないでしょうか。
役立ちそうな方法や考え方、それに関する情報が伝えられることは、保護者にとって助けになると思います。
その際、指導的になったり断定的にならず、保護者自身が考え、ヒントになる材料を提供するといった姿勢が大切になるでしょう。
子どもを育てている主体が保護者であることを、念頭においておくとよいと思います。
園以外でその親子にとって役に立つ地域の資源、場や機関があったらそこにつないで、連携していくことも必要になるでしょう。
そのために、園は地域にある資源や機関について知っておく、情報として揃えておく、必要に応じて関係をつけておくことなどが望まれます。
今は次世代の子どもたちを社会全体で育てていこうという時代です。
園だけでどうにかしようと思わず、地域資源を活用していくことが、子どもが育つ地域をつくっていくことにつながると思います。
相談機関で相談を担当する立場として園に助けられることは、園という保育の場が子どもの生活を引き受け、見てくれるということです。
子どもの園での生活が保障されてこそ、他機関での相談も効果をあげることができるのです。
どんな子どもにも普通の生活、仲間との生活が必要です。
園生活はそれを与えてくれます。
相談機関との連携がうまく取れることは、親子にとってもたいへん助けになることと思います。
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園による育児・子育ての相談
保育者一人で抱え込まない
少子化や育児不安が高まる中で、園でも最近は園児の保育だけでなく、
保護者の相談、そして地域の親子の相談まで引き受けることが求められるようになりました。
園児の保育だけでもたいへんな中で、保護者への対応や相談に戸惑うことも多いことと思われます。
園は、子育て中の親にとっては子どもの保育をお願いするだけでなく、親が子どもや子育てについてわからないことや聞きたいことが聞ける、頼りになるところかと思います。
今は核家族が多くなって実家からも遠く、近所に知り合いもなく孤立しやすい転勤族も多くいます。
子育ては、親やまわりの人たちから自然に伝えられたものだったのですが、今は小さい頃から勉強に励み、小さい子どもに接することもなく育った人たちが親になっています。
物心がついてから初めて抱いた赤ちゃんがわが子だったという人も少なくありません。
園に入るまでの、特に最初の子育てでは、ささいなことでも不安のもとになります。
まわりに話せる人がなく、孤立している人ほど不安は強くなることでしょう。
入園しても大勢の子どもの中でのわが子がうまくやっていけるのか、ことあるごとに親心は揺れることでしょう。
ちょっとしたことで悩み、困って相談したいことも出てきます。
しかし相談ごとはそう簡単に話すわけにはいきません。
保育者がいつも忙しそうであれば声はかけにくいでしょう。
いつも声をかけてくれる保育者は、わが子をよく見ていてくれるありがたい存在に映ります。
「この先生はどのくらい話を聞いてくださるだろう」
「わかってもらえるだろうか」
「こんなことを聞いたらどう思われるだろう」
などが気になって言い出せないことがあるかもしれません。
保護者は保育者のちょっとした一言ややりとりからも、聞いてくれそうな先生か、どの先生なら話しても大丈夫だろうかなどをはかっています。
いつでも信頼して声をかけてもらえる保育者でありたいですね。
園は保護者にとって、毎日通って子どものこともわかってもらえる身近な存在です。
気軽に相談しやすい窓口のようなところでもあります。
日々迷うことを保育者に聞くだけでなく、保護者同士で解決できることもあるでしょう。
しかし深刻な相談になると親しい間柄ではむしろしにくく、園で抱え込むには重すぎることもあります。
担任一人で抱え込まないで、守秘義務を守りながら固全体で対応することも必要でしょう。
他の相談できる機関につなげ、園が病院や相談機関の専門家と相談しながら、保護者に対応していく体制をつくっておくことも大切なことです。
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保育者のアドバイス
長年子どもにかかわる仕事をしている方なら、何度も受ける「よくある相談」というものがあります。
友だちができるだろうか、友だちができればうまく遊べているだろうか、乱暴すぎないか、おとなしすぎていじめられやしないか、食が細い、癖があるなどなど。
ベテランの保育者から
「多くの親が同じことを言う。聞かなくても次に何を言うかわかってしまう」
と聞いたことがあります。
多くの子どもたちの発達の姿を見てきた保育者には、経験からくる見通しと安心感があります。
そのような保育者の
「よくあることよ。大丈夫よ」
という態度は、相談をした親に大きな安心感を与えることでしょう。
ただ、気をつけなければいけないことは、よくあることというのは相談を受ける側にとってであり、親にとっては初めてのことなのです。
「よくある相談」と思うことで我々は、それがどんな相談であるのか耳を傾けて聴くことをやめてしまいます。
しっかりと耳を傾けて聴いた時、「よくある相談」は一つひとつまったく異なった相談となります。
たとえば、「爪を噛む癖がある」という相談に
「よくあることですよ。大丈夫。新しい場所に慣れていないからでしょう。
やりたい遊びが見つかれば、じきになくなりますよ」
と保育者が答えを出していた時には同じように思えた相談も、さらに話を聴く時、
ある親は自分の育児が悪いせいではないかと悩んでいたり、
ある親は肉親の死など大きな出来事があったことを語り出したりします。
ある親は
「その癖を見るといらいらする。主人にも同じ癖がある」
と夫への不満を話し出したり、またある親は保育者の対応が悪いのでうちの子がこんな行動をしていると暗に訴えていたりする場合もあります。
一人ひとりの感じ方、考え方、親と子の性格・組み合わせ、環境、全て違うわけですから、教えてもらうようなつもりで話を聴くならば、多くのことを話してもらえるでしょう。
よくある相談というのは、多くの親を悩ませる子育て期間の大問題でもあります。
その大問題をこの親はどう受けとめ、どう行動してきたのか、この子はどのような発達の姿を見せているのかに耳を傾ける時、それぞれの親子の発達のドラマを聴かせてもらうことができるでしょう。
保育者が答えを出していたのでは聴くことのできなかった一人ひとりの物語です。
話している親も、話しながら多くのことに気づいたり考えが整理されたりします。
よい聴き手がいることは「よくある」困りごとを尊重な成長の糧にしてくれます。
丁寧に聴くことは、保育者自身の価値観も豊かにしてくれるでしょう。
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園ができること
家庭の養育機能の低下、核家族世帯の増加、地域社会の人間関係の希薄化などが進み、乳幼児を抱える家族に対する支援の必要性が高くなってきています。
家庭の養育機能低下では、自分の子どもをもって初めて乳幼児に接する母親が増加したことが主な要因と考えられています。
きょうだいが多かった時代には、母親が弟妹の世話をする様子を日々見ていて、兄姉も見よう見まねで弟妹の世話をし、弟妹は甥姪の世話をし、いつの間にか乳幼児との接し方を学んでいました。
そういう経験がないまま親になると、日常の子育てのささいなことで戸惑うことが少なくありません。
加えて、父親の育児参加が極めて少なく、子育ては母親任せという家庭が多く、母親自身が子育てに不慣れなうえに、パートナーの協力を得るのが難しいことから、乳幼児を育てる母親の心身のストレスは非常に大きいようです。
さらに、核家族世帯の増加により、祖父母からの育児の知識・技術の伝承が少なくなり、日常の子育てに対する援助も少なくなりました。
また、地域社会のつながりが希薄になり、乳幼児をもつ家庭がそれぞれ孤立していて近隣の人々の援助を得にくくなりました。
このような中での乳幼児の子育ては、母親の就労の有無にかかわらず、緊張感、負担感、不安などが伴いますから、子育て家庭に対する支援が必要です。
そこで、乳幼児を持つ家族を支援するため、特に子どもの育ちと母親の子育てを支援するため、さまざまな施策がなされるようになりました。
子育ち親育ちを目的とした支援専用施設も自治体やNPO法人によって設置されるようになりました。
それだけではなく、保育所や幼稚園も子育て支援に取り組むようになったのです。
保育所や幼稚園の職員は、保育のプロであり、乳幼児の発達や遊びについて高い専門性をもつ人々の集団です。
保育所には、保育士だけでなく栄養士、看護師、保健師など多様な職種の人材もそろっています。
また、乳幼児の発達に適した玩具や絵本などを数多く備え、施設設備も乳幼児向けに整えられていますので、乳幼児をもつ親子が、すぐにでも利用できる場です。
さらに、保育所・幼稚園は全国津々浦々に多数所在していますから、乳幼児とその親の住まいから近く利用しやすくなっています。
このように、保育所や幼稚園は、乳幼児をもつ家族の支援には人的、物的にたいへん適しています。
乳幼児を抱えて、孤立し、途方に暮れている家族に扉を開きましょう。
園ができる支援には、大きく分けて2種類あります。
一つは、専任のスタッフや部屋を準備せずに、通常保育の傍ら、できる範囲で、末就園児とその保護者に対して、園庭や保育室の開放、園行事への誘い、体験保育や育児相談などを行うものです。
もう一つは、保育所併設型の地域子育て支援事業(園の中のひろば)です。
園庭開放では、園庭は公園より清潔で安心して子どもを遊ばせられると保護者には好評です。
砂場には犬猫の糞尿がなく、園児と乳幼児を連れた保護者だけの利用で囲いもありますから、安心して遊ばせることができます。
遊具や玩具も発達段階に適していて、家庭にないものも多く、子どもには魅力的です。
近所に乳幼児が少ない地域では、保育所や幼稚園に行けば園児や利用者の子どもがいますので、一緒に遊ぶことができます。
園庭が狭く、園児が利用する時間の園庭開放は難しいという園では、午前中の開放は週1〜2回で時間も限定し、その代わり昼寝の時間帯に園庭のみほぼ毎日開放しているという園もあります。
親子で園に遊びに来てもらうことで、家にこもりがちな子育てに道が開け、子どもにも親にも楽しみができます。
子どもを遊ばせながら、ふだん感じているちょっとした不安などを同じ立場の人と話したり、保育者に相談したりすることもできます。
ですから、園の存在と園が行っている支援について、地域の乳幼児を抱える家族に知ってもらうことが支援につながります。
園児を地域の公園や遊歩道などに散歩に連れて行く時、保育者はエプロンのポケットに案内のチラシを入れ、小さな子どもを連れた母親や祖父母にチラシを渡して、
「園に遊びに来てくださいね」
とか
「今度の○○にお餅つき大会をしますので、来てくださいね」
など、言葉をかけていますという保育者もたくさんいます。
一人ひとりの保育者の意識が変わることで、園と地域とがよい関係になります。
園が所在する地域にも目を向け、園児以外の乳幼児やその家族にも関心をもち、気さくに声をかけ合える関係が生まれることが、子育て支援の土壌となります。
また、在園児と保護者に対する支援も重要です。
日常の保育の充実と送迎時の保護者とのコミュニケーションが子育て支援の基本ですが、保護者の緊張や疲れを和らげ、保護者が相談しやすい雰囲気づくり、保護者同士の横のつながりづくりなど、意図的で継続的な支援も必要でしょう。
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園の中のひろばのメリット、デメリット
専任スタッフと専用の場所が必要
近年、多くの保育所や幼稚園が、末就園児とその保護者に対する子育て支援のために、園庭開放、園行事の開放、育児相談、体験保育などを実施するようになってきました。
末就園児とその保護者を支援するために、専用の場所や専念する人材を用意することなく、在園児を保育する傍らで行う園がほとんどです。
そのため、通常保育にしわ寄せが生じたり、利用する母親も利用のしにくさを感じたりしているようです。
たとえば、園庭開放を実施する日は、未就園児とその保護者が大勢来て園庭で遊ぶため、園庭が広くない園では、在園児、中でも幼児は園庭に出ることができず、公園や遊歩道などに出かけるようです。
保育室を開放する日も、余った部屋がない園では、在園児は散歩に出るなどして、やりくりをしているようです。
また、子育て支援の担当には、その年度のフリー保育士、主任、園長などがあたるところが多いようです。
しかし、日によって担当者は在園児の保育に入らなければならなかったり、急を要する事務作業が山積したりしていると、子どもを園庭で遊ばせている保護者の方に声をかけることができません。
在園児の保育をしながらの子育て支援では、物理的空間と支援スタッフの人材との両面で、かなり無理があり、気持ちはあっても実際に適切な対応が難しいのが現状です。
そこで、日常保育の片手間ではなく、専任スタッフと専用の場所を備えた「園の中のひろば」(保育所併設型地域子育て支援事業)の必要性が高まっています。
子育て支援専用のセンターと通常保育の傍らでの支援との中間的な施設といえるでしょう。
開所日や利用時間は施設によって異なりますが、後者の場合よりも長く、前者よりも短いか、ほぼ同様な場合とがあります。
この「ひろば」には、利用者の方だけのための部屋が用意されていることが多いのですが、園児と一緒にホールなどを使用する園もあります。
ほとんどの園で、園庭は園児と一緒に利用しています。
しかし、専任スタッフが常駐していることはたいへん大きなメリットです。
もちろん、利用者が0歳児を抱えている場合は、清潔な室内で子どもを遊ばせたいと考えていますので、専用のスペースは必要です。
しかし、場所が提供されればそれでよいというわけではありません。
乳児とだけ一日中向き合っている母親は、大人と話す機会がなく、かなりストレスがたまっています。
対等に大人と話がしたい、話を聞いてもらいたいと強く思っています。
同じように子どもを連れた母親や支援スタッフとゆっくり話すことで、気持ちがほぐれ心が安らざます。
園の中のひろばのメリット
園の中のひろばのメリットについて考えてみましょう。
常に園児がいることによるメリットはとても大きいものです。
子どもの発達や育児の仕方についてただ話を聞くだけではなく、
実際に園児の様子や園児に対する保育者のかかわりを見られることで、乳幼児をもつ保護者の不安は軽減し、乳幼児に対する理解も得られます。
特に保育所では、0歳児から在園していることが多いので、保護者の子育ての負担感と不安が一番大きい時期に、実際に乳児の様子を見て、保育者から具体的な話を聞くことができることは、とても効果的な子育て支援となります。
0歳児は、発達の速度が著しいだけでなく、個人差も大きいので、第一子で0歳児を育てる保護者の戸惑いや不安は大きいものです。
・離乳食を始める時期やその進め方、
・離乳食の調理の仕方や食べさせ方、
・アレルギー体質に対する対応の仕方、
・乳児の健康と安全、乳児との非言語的なコミュニケーションの取り方
などについて、先の見えない不安を抱えています。
保育者からだけではなく、栄養士、看護師、保健師などからも適切なアドバイスを得ることができれば、保護者の不安は軽減することでしょう。
さらに、保育体験を実施している園では、0〜3歳の未就園児がその子どもの年齢に該当するクラスに保護者と共に入り、半日程度の保育体験ができることもたいへん魅力的です。
同じ年齢でも発達の速い子どもとゆっくりの子どもがいること、
食事についても量や食べるスピードなどが子どもによって異なること、
子どもが興味や関心をもつ遊びや子ども同士のかかわり
などについて、体験し観察することを通して、母親自身が気づくことができます。
加えて、保育所や幼稚園は施設数が多く、自宅から近いことが二番目のメリットでしょう。
乳幼児を抱える母親には、支援施設が近いことも利用しやすいことです。
園の中のひろばのデメリット
次に、デメリットについて考えてみましょう。
保育所や幼稚園は、基本的には在園児のための施設ですから、園児とその保護者がいることで、遠慮や気兼ねをしながら利用することもあるでしょう。
支援専用施設のように、利用者が自分たちの場ととらえて主体的に活動することは難しく、むしろ、お客さん的な存在にならざるを得ない場合が多いのではないでしょうか。
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しつけと虐待、虐待防止法について
虐待を早期に発見し、子どもを援助していく
児童虐待とは、親または親に代わる保護者による子どもの人権を侵害する行為であって、反復される行為ですが、性的虐待に限っては一度限りの行為でも虐待とみなされます。
また、虐待をする者の故意の有無は関係しません。
したがって、何をもって虐待とするかは、子どもの視点から見て判断されます。
ある行為を親はしつけと認識していても、子どもにとっては虐待であり、著しい人権侵害である場合があります。
虐待は、身体的虐待、心理的虐待、性的虐待、放任の4種類に分類されます。
中でも身体的虐待は、単なるしつけだと親が主張することがあります。
たとえば、子どもが親の指示に従わない場合、子どもが悪くわがままであると一方的に決めつけ、罰を与えなければ子どもはますます悪くなるからと、子どもの身体が傷つくような叱り方をする場合があります。
骨折や打撲傷になるほどたたいたり蹴ったり、体調不良になるほど長時間戸外に出したり食事を抜いたりといった叱り方をし、一度限りでなく、日常的に繰り返されるような場合です。
親は、子どもがかわいいから厳しくしつけていると主張するかもしれません。
しかし、子どもが身体的苦痛や生命の危険にさらされ、親に対して著しい恐怖心を抱き、心的外傷を被っているなら、これは明らかに虐待です。
児童相談所で、児童虐待の相談受理件数について統計を取り始めた1990年度には1,011件でしたが、年々増加し続け、2004年度には32,979件、約32倍に増加しました。
これは、通報された数ですから、氷山の一角に過ぎず、実際にはこの何倍もの虐待事例があることが推測されます。
2000年11月に児童虐待防止法が施行され、2004年4月に同法が改正されました。
いくつかの点が改正されましたが、国民の通告義務の対象に関しては、「児童虐待を受けた児童」から「児童虐待を受けていると思われる児童」に拡大されました。
もしその通告が誤りであったとしても、責任を問われることはありません。
したがって、児童相談所や福祉事務所への通告は今後一層増加することが予想されます。
被虐待児の年齢を見ますと、就学前の乳幼児が1/3〜1/2を占めていますので、保育所や幼稚園は虐待事例に遭遇しやすい場です。
特に保育所は、乳幼児が1日の大半を過ごす場ですから、早期発見が可能でしょう。
「保育所保育指針」の第12章、第13章にも虐待などへの対応として、虐待の早期発見、通告、援助などについての保育者の役割が記されています。
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虐待を受けている乳幼児の12つの特徴、虐待を行っている保護者の3つの特徴
早期発見の手がかりとなる、虐待を疑われる子どもとその保護者の特徴について見てみましょう。
虐待を受けている乳幼児の特徴
・子どもの身体に不自然な傷や傷跡、あざや火傷などの皮膚外傷がある、
・乳児期の骨折、虫歯の本数が多い、
・お尻のただれや頭髪や体の汚れ、
・体重が増えない、
・毎日同じ衣服を着ている、
・異常な食欲、
・発達の遅れ、
・身体接触を極端に嫌ったり過剰に人に接近したりする、
・衝動的で攻撃的な言動、警戒心が強く少しの刺激で怯えたり身構えたりする、
・友人関係をもつことが難しい、
・強い者にはこびるが弱い者には暴力をふるう、
・親が迎えに来ても帰りたがらない
などがあげられます。
虐待を行っている保護者の3つの特徴
・子どもに対していらいらしてよく怒り厳しく叱る、
・乳児の扱い方が乱暴、体罰をしつけと考えている、
・表情が硬く情緒が不安定、家庭の状況を保育者に話したがらない、
・子どもの話と矛盾する点が多い
などがあげられます。
児童虐待が疑われる子どもや保護者がいる場合、子どもの生命にかかわる問題ですから、できるだけ迅速な対応が求められます。
保育所や幼稚園だけで対応することはできませんので、通告だけでなく、児童相談所、市町村の福祉事務所や保健センター、児童委員などと連携して対応することが必要です。
関係機関と連携しながら、日常の保育の中で被虐待児に対する特別な配慮、送迎時の保護者対応などが求められます。
被虐待児の行動特性として、粗暴な言動や暴力的な行為をすることが指摘されており、他の子どもたちとの間にトラブルを起こすことが多々あります。
ですから、クラス担任は、保育における子どもへの日々の対応に疲れています。
また、子どもだけではなく、保護者への対応もたいへん難しいのです。
園長や主任は担任の立場と苦労を理解するよう努め、いつでも担任の相談相手になり、担任が孤立したり行き詰まってしまうことがないよう心理的支援をする必要があります。
それだけではなく、フリーの保育者を被虐待児のいるクラスに配置するとか、保護者への対応は主任や園長が引き受けるなどの支援も必要です。
そして、定期的に事例検討会をもつなど、園全体での取り組みが欠かせません。
また、児童虐待予防のために、虐待の予兆を示す子どもを早期発見し、リスクを抱えた家庭を把握することも大切です。
特別な支援を要する家庭の子どもと保護者に配慮し、保育所や幼稚園で何ができるかを園全体で話し合いましょう。
虐待ケースに至る可能性の高い事例では、子どもと保護者に対する特別な配慮を、クラス担任だけにまかせてしまうのではなく、園長や主任がリードして、園全体で取り組むことが必要です。
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子育て支援のための機関をおおいに活用しよう
子どもをめぐる痛ましい事件や事故が後を絶ちません。
家で孤立する親子、心のゆとりをなくした大人たち、多発する虐待などで、地域も家庭も子どもにとって必ずしもよい環境とはいえなくなっているのではないでしょうか。
こうした中で、保育の場は子どもとその親にとっての数少ない拠り所であり、居場所になっているように思います。
親の方も、社会のめまぐるしい変化と安全が脅かされる中で、どう子どもを守り、育て、かかわったらよいか迷い、悩みながら日々の子育てにあたっています。
親たちはこうした思いや不安を聴いてくれる人、相談して一緒に考えてくれる人を求めています。
子どものことをよく知っている保育の専門家のいる園という場は、身近にあって親にとって最も相談しやすい窓口なのです。
地域の支え合いがなくなり、家族が孤立するようになって、地域の親子のニーズも高まってきました。
園は今、園児以外の子育てを支援し、相談に対応することも求められるようになりました。
親たちのニーズに応え、相談に応じるためにはそれなりの専門性、知識やスキルが必要になりますが、保育現場や子育て支援の場で保護者からの相談を受ける保育者に、大きな助けとなるでしょう。
このカテゴリーでは、、相談の場となる園や支援センターでの相談、親や家族との相談など、相談の場や形、相談相手にかかわる項目を入れてみました。
また、子育て支援として園が取り組むひろばや情報提供など、園ができる支援について取り上げています。
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